先発ロアーク「50球がマックスだった」 WBC準決勝後、アメリカ陣営が会見

永塚和志

勢い乗るプエルトリコをいかに止めるか

初の決勝進出で、ホスト国・アメリカの関心は高まるか 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

――監督、プエルトリコと決勝戦を戦うのではないかといった予感はありましたか?

リーランド監督 いいえ。

――ここまでチームはそのディフェンス力とチームの一体感で称賛されていますが、決勝ではラインアップの変更は考えていますか?

リーランド監督 日本についてよりもプエルトリコについてのほうが少しだけ良くわかっていますが、特に変更は加えません。今夜はもちろんプエルトリコのことを考える余裕などありませんでした。日本という強敵を倒すことだけに専念しましたから。

 アンドリューやタナーら多くの選手がプエルトリコとの対戦経験があります。非常に良いチームですし、彼らの成し遂げてきたことに対して最大限の敬意を払っています。勢いに乗っている彼らをいかに止められるか。気持ちの強さが求められます。選手は現時点では喜んでいますが、明日になれば準備はできていることでしょう。

――今日は雨が強く降り注いで濃霧がたちこめていました。日本は2つほどミスをしましたが、このコンディションはアメリカの選手たちも困らせるところはあったのでしょうか? また外野に陣取る日本の応援団の楽器を使っての声援は苦になりませんでしたか?

ロアーク マウンドのコンディションは徐々に悪くなっていったけど、それはもう仕方のないこと。もしもっと雨が強く降っていれば雨天遅延になっていただろうし、そういうことはこちらの力の及ばないこと。天気はどうしようもない。こういう状況でも集中力を切らさないようにしなければならないし、余計なことに気を取られないことが肝要だ。

マカチャン だからこそ、この競技は素晴らしいのさ。何が起こるかわからないのだから。ロサンゼルスでこういう試合が繰り広げられるなどと誰が想像したというのか? オレ自身はここでこういう天気でプレーするのは何年もなかったよ。だからこそ野球は面白いんだ。

 だけど、オレはピッツバーグでプレーしているし、あそこの天気には慣れている。あまり天気の良いところではなくて、雨ばかりなんだ。4月はものすごく寒いし、5月に入ってもそう。だけど慣れたよ。芝も少し滑りやすくてボールがイレギュラーすることもあるのだけど、そういうことにも慣れたよ。

――アメリカがここまで勝ち進んできたことがなかったこともあって、周囲はあまりWBCに関心がありませんでしたが、今君たちが決勝進出を決めてアメリカのファンは多少関心を払ってくれると思いますか?

ロアーク そうだね。そう思うよ。今夜やサンディエゴの試合でも、ファンの声援はすごかった。ファンの「USA!」の大合唱は大好きだし、それによってアドレナリンがあふれ出てきて、よりやる気になるんだ。

マカチャン USAのロゴを胸につけてアメリカを代表するのは誇りだし、われわれに対するサポートは最高さ。マイアミのファンも最高だったし、サンディエゴやここロサンゼルスの声援も非常に大きかった。それによってオレたちもフィールドでやってやろう、勝ってやろうという気持ちになるんだ。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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