先発ロアーク「50球がマックスだった」 WBC準決勝後、アメリカ陣営が会見

永塚和志

「菅野には驚かされた」と監督

4回に先制打を放ったマカチャン 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

――アンドリュー、ここまでたどり着くまでに試合を勝ち続けねばなりませんでした。君がよく知らないような、メジャーリーガーがいないチームもいる。こういった大会でプレーすることについてはどう思っていますか? 

マカチャン そうだね、(日本については)青木(宣親)以外はなじみがなかった。だけど日本チームの実力はわかっていた。日本はすべきことができるチームであると。

 彼らは小さなことをきっちりやるし、ミスをほとんどしないチームだ。だからオレたちは最上級の試合をしないといけないとわかっていたし、それは彼らにとっても同じだったはずだ。両軍にとってチャレンジだったし素晴らしい試合だった。オレたちは1点相手を上回った。そして勝利を得た。タナーが試合をつくってくれ、この重要な試合を勝つ大きな要因となった。日本は素晴らしい試合をしたし、素晴らしいチームだった。とても楽しかったよ。

――監督、明日の決勝戦は、2000年のシドニー五輪でトミー・ラソーダが監督として代表チームを率いて以来、最も大きな国際試合となる一戦です。あなた個人にとって、また選手にとって明日の試合の意義をどう感じていますか? 

リーランド監督 私としてはこの大会でとりたてて大きなことを成し遂げようという気持ちはありませんでした。どちらかというとチームがまとまってくれればと思っていたわけです。スポーツは競争ですから、この大会で良いチームと対戦する時には、その相手をいかに上回ろうか、そう考えていただけです。

 今夜の日本の先発投手(菅野智之)、彼はメジャーリーグ級の投手ですよ。彼は良かったし、驚かされました。他のすべてのチームについても驚きました。明日は大会で最高の成績を残してきている素晴らしいチームとの対戦です。簡単ではありません。

 ですが、私はいかなるゴールも設定してはいませんでした。ゴールはつくりません。監督としてそうしたことがありません。唯一の目標は毎日ベストな状態でプレーする準備ができるようにすることです。勝とうとも負けようとも、相手には敬意を払います。相手が勝てば、相手を祝福します。

日本は規律があり素晴らしいチーム

――昨日の会見では日本チームのことをあまり知らないと言っていましたが、今日戦いを終えて、改めて日本チームの印象を伺いたいのですが。

リーランド監督 非常に感銘を受けたよ。彼らは今夜、2つほどミスをしましたが本来は素晴らしい守備力を持っています。彼らは戦い方をよくわかっていますし、どの塁にボールを投げるべきかもわかっています。日本はスモールボールと少しのビッグボールを織り交ぜたような試合をします。われわれのようなビッグボールとは少し違いますけどね。彼らはバントを使い、走者を進塁させ、盗塁もよくします。

 日本は基本に忠実で堅実なチームです。それを知っていました。ただし、今夜の先発投手には本当に驚かされました。素晴らしかったですよ。彼は外のコーナーにコントロールしてきましたし、カウント3ボール0ストライクからスライダーを投げ込んできました。非常に印象深かったですね。日本は規律があり、素晴らしいチームです。間違いなくそうです。

マカチャン 監督が言ったように、日本の先発投手は非常に良かった。彼らのことはほとんど何も知らなかったけど、投手陣はコントロールが素晴らしかった。こちらに打ちごろの球をあまり投げてこなかった。

 それにリリーフ陣も素晴らしかった。球速もあったし、コントロールも全員が良かった。オレたちにとってはチャレンジだったよ。だからこそスコアは2対1というものになったのさ。

――われわれも日本への敬意を払っていますが、今日はアメリカが日本を破りました。何が勝負の決め手となったのでしょう? 

リーランド監督 差は1点です。たまたま良いところで打てたわけです。走者が二、三塁に出て、打って、そしてクロフォードが得点しました。日本はその際に少しだけ守備でミスをしました。その1つのミスが勝負を分けることになりました。ですが、両軍に大きな差はありませんでした。たった1つのミスに乗じて勝てたわけです。

 覚えているでしょうか。試合の行方を決めるポイントは投手の出来にかかってくる、と言っていたのを。その通りになりましたよね。今夜の日本の投手陣は素晴らしかったですし、その中でわれわれのほうが少しだけ上回ったということです。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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