日大三の「もう1人のエース」岡部仁 殻を破り、センバツの切り札となるか

高木遊

グラブに刻む「81」の意味

中学時代は力みのないフォームで最速138キロをマーク 【写真:高木遊】

 岡部はグラブに「81」という数字を刻んでいる。これは「投手は常に三振を狙え。理想は打者27人から3球三振を奪って81球で試合を終わらせることだ」という宮下氏の教えからだ。

 その真意を宮下氏は「投手は“俺が俺が”で良いと思うんですよね。よく打たせて取るとか言いますけど、良い投手ならやっぱり三振を取りに行こうと。前に飛ばされなければ、ミスも起こらないわけです。完全試合狙って、ダメならノーヒットノーラン、ダメなら完封ってやっていくぐらいでいい」と、エゴの強さも投手として欠かせない部分と話す。

 だからこそ、岡部にはもっとそうした面を前面に出して欲しいと考えており、「今こそ殻を破って欲しいですね!」と最後に力強く期待を込めた。

大会初戦は履正社との大一番。勝利を収め、喜ぶ岡部の顔は見られるか 【写真:高木遊】

 日大三は初戦(大会初日第2試合)で昨秋の明治神宮大会王者・履正社高(大阪)と対戦する。

 先発は櫻井の登板が濃厚だが、高校通算49本塁打を誇る安田尚憲(3年)らをそろえる強力打線が相手なだけに、試合展開次第では岡部が「切り札」としてマウンドに上がる可能性もある。今大会では背番号「10」をつけることになった岡部にとって、殻を破り今後の飛躍につながる大きなきっかけとなるかもしれない。そんな大勝負の舞台がまもなく幕を開ける。

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著者プロフィール

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

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