スノボHPで銅メダル獲得の女子高生 17歳・今井胡桃が目指す五輪のその先

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インスタで海外選手の動画チェック

素顔は17歳の女子高生そのもの。遠征が続くと「家に帰りたくなる」と笑う 【坂本清】

 17歳にして今井は競技を背負うような思いを胸にし、世界中を転戦している。しかしアスリートの仮面を一枚脱げば、そこには普通の女子高生らしい素顔がある。

――遠征続きで大変なことはありますか?

 家に帰りたくなります。11月くらいから3月の終わりまで家に帰れないので。お母さんとかは大会に見に来てくれたりしてたまに会えるんですけど、一緒に住んでいる3歳と6歳の姪っ子にいつも癒やされているので、会いたくなります。犬もそうですね。(1年のうち)家にいるのはざっくり半年くらいですかね。

――学校にもあまり行けていないと思います。普通の学生生活を送る同級生をうらやましく思うことはありますか?

 昔はけっこう思っていました。中学生のときは「遊びに行きたいな」と。オフシーズンでもジムでのトレーニングがあって遊びに行けないので。(高校も)修学旅行など学校の行事も、大会や合宿のスケジュールが入れば行けないのですが……まあ、しょうがないですね(笑)。

――メーンで使っているSNSはなんですか?

 ツイッターかインスタグラムです。フォローしているのは海外のハーフパイプの選手だったり、学校やスノーボードの友達などですね。海外選手の練習の動画なんかを見て、「あ、この選手これやってる!」と刺激を受けています。

男子選手のように滑りたい

目標にしている選手はベン・ファーガソン。「男子のような滑りをしたい」と願望を明かす 【写真:アフロスポーツ】

 現在、女子ハーフパイプ界には、今井より1つ下のキム・クロエ(米国)が世界女王として君臨している。競技を続けていく上で大きな壁となる存在だ。年下の世界女王、そして自身の滑りに対する思いを聞いた。 

――今井選手から見てキム・クロエ選手の滑りはどうですか?

 女子のなかでも1人だけ断トツにうまくて、滑りも男子みたいでカッコいい。自分も練習していますけど向こうも練習しているから、頑張らないとどんどん置いていかれる。まずは追いつかないといけないので焦る気持ちもあります。キム・クロエ選手も頑張ってるんだから(私も)やらなければと思っていつも頑張っています。

――目標とする選手、滑りはありますか?

 目標にしている選手を挙げるとしたら、ベン・ファーガソン(米国、男子の表彰台常連)選手がいちばん好きです。一つひとつの滑りがカッコよくて。女子だとグラブ(空中で板をつかむ動作)はただつかむだけなんですけど、男子だとそれをさらにひねったり反ったりするのが入ってきて、すごいスタイルが出るんですよね。それがカッコいいです。男子選手みたいな滑りをしたいんです。

――兄の郁海選手に教えてもらうこともありますか?

 家でタイミングが一緒になった時に、「ここをもっとこうしたら良いんじゃない?」と言ってくれることはあります。男子の滑りは全部参考になりますね。

――その滑りができれば、五輪でもいいところにいけそうですね。

 平昌五輪は来年だし、今の状態では出られるかも怪しいのですが、とにかく出場して、決勝には絶対行きたいと思っています。その次の22年北京五輪では表彰台には乗りたいです。

(取材・文:藤田大豪/スポーツナビ)

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