【ノア】拳王まさかの裏切り GHCタッグ剥奪で杉浦と結託 丸藤は谷口に共闘を呼びかけ“でくのぼう”再生へ

高木裕美

丸藤が谷口に「オレとテッペン目指してみるか」

丸藤はいまだブレイクしきれていない谷口をリングに上げ「オレとテッペン目指してみるか」と共闘を呼びかけ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、“ノアの顔”丸藤正道がヘビー級に転向した小峠篤司に快勝。試合後、「でくのぼう」と評したマイバッハ谷口をリングに上げ、共闘宣言した。
 丸藤はエプロンへのDDT、逆水平チョップ、エプロンでのパイルドライバーなどのエグイ攻めを見せると、さらに虎王、トラースキック連発からのポールシフト式エメラルドフロウジョンでフィニッシュ。まだ余裕を見せつけながらも、「いつ負けてもおかしくない。ヘビー級に転向した直後で、まだまだ成長が期待できる」と、小峠の更なる飛躍に期待を寄せた。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 その一方で、「若い力が育って、若い人間が頑張っている中で、1人でくのぼうみたいなヤツがいるよな」と、デビューから10年以上経ちながら、いまだブレイクしきれていない谷口をリングに上げ、「オレとテッペン目指してみるか」と共闘を呼びかけると、谷口も呼応。
 かつてはKENTAも鉄仮面へと大変身をプロデュースしながらも、芽を出せなかった未完の大器に、「ポテンシャルの高さを出しきれないもどかしさ」を感じつつ、「1ミリでもアイツに期待するなら、オレたちを見とけ」と、新生ノアと共に、谷口も生まれ変わらせると予告した。

最後の前哨戦で潮崎組が中嶋組に勝利

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 メインイベントではGHCヘビー&ジュニア・ヘビー級のダブル前哨戦として、中嶋勝彦&大原ハジメ組vs.潮崎豪&熊野準組が激突。3.12神奈川・横浜文化体育館でのタイトル戦を前に、04年同期デビューの中嶋と潮崎、国内外を渡り歩いてきた大原とノア生え抜きの熊野が最後の戦いに臨んだ。

 25分を超える激闘に火を点けたのは中嶋。5分過ぎ、コーナーに控える潮崎に襲い掛かり、場外戦を仕掛けると、潮崎も即座にお返し。南側客席通路へ連れ出し、エルボーを打ち込むと、中嶋もキックで反撃し、潮崎の顔面を壁に打ち付ける。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 15分過ぎ、潮崎が逆水平チョップ2連発、ブレーンバスターを繰り出せば、中嶋もドラゴンスクリュー、ハイキック、ミサイルキックで反撃。チョップとキックの打撃戦から、潮崎がゴーフラッシャーを放ち、両者ダウンとなる。
 一方、大原も負けじと熊野にジョン・ウー、ケブラドーラコンヒーロ、ムイビエンを仕掛けるも、これはニアロープ。ピンチを切り抜けた熊野はフィンランド式フォアアームをブロックし、アルゼンチンバックブリーカー、ベアハッグからのMNで3カウントをもぎ取った。

 一方的に攻め込まれながらの大逆転劇に、熊野は「ボコボコにやられた。でも最後に立ってるのはこのオレ、熊野準だ」と、ベルト奪取宣言。パートナーの潮崎も「最後の前哨戦で勝利をありがとう」と、熊野の成長ぶりに目を細めた。
 一方、敗れた中嶋は「横浜ではオレたちが勝つ。なぜなら、オレたちは止まらねぇ!」と、大原と共に必勝を誓った。

石森&Hi69組がジュニアタッグ防衛に自信

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 3.12横浜で決定したGHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権の前哨戦として、石森太二vs.タダスケ、Hi69vs.原田大輔がそれぞれシングルで激突。1勝1敗となり、決着は横浜決戦へと持ち込まれた。
 石森&Hi69組は2.18博多でHAYATA&YO−HEY組との王座決定戦を制し、王座を獲得。だが、そこに噛み付いてきたのが、原田&タダスケの元大阪プロレスコンビだった。

 石森は鍛え上げられたマッチョボディーを迷彩柄のコスチュームに包み、タダスケのパワーファイトに負けない瞬発力を披露。タダスケのパワーボム、急所蹴りを食らいながらも、串刺しニーからの450°スプラッシュで完勝し、「横浜でも結果は同じ。オレたちXXがノアを変える。全部を変える」と初防衛を約束した。
 一方、Hi69は徹底したヒザ攻めで原田を苦しめ、ニーアッパーをキャッチしてドラゴンスクリューを繰り出すなどのひらめきも見せるが、原田がローリングジャーマン、ニーアッパーからの片山ジャーマンでフィニッシュ。苦しみながらもキッチリと勝利をつかんだ原田は「足の一本ぐらいくれてやる」と、横浜ではなりふり構わず王座奪取へ動くと宣言した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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