さて、どんなメンバーになりそうだろうか。「３番・清宮、４番・野村（大樹）は固定だが５番が誰になるか未定」と和泉監督は言う。秋は小西優喜、西田燎太らを試したがレギュラーは白紙だ。

　投手陣についても同じことが言える。「ブルペンを見てると良くなっていて、頭数は数人いるけど、軸がいない」（和泉監督）。背番号１を背負った１年生の中川広渡、１年時に甲子園のマウンドに上がった服部雅生、１年生左腕の赤嶺大哉、石井豪、１年の大型右腕・池田徹など候補はいるが、１試合を投げ切るまでにはなっていない。

「集中力とかあきらめない気持ちとか、そういう強いものを共有できてるチーム。秋の時点では珍しい」。和泉監督は主将の清宮を中心にまとまったチームという。「でも、センバツはまったく別の大会。勝ったことは自信を持ってはいいけど、新しいチームというイメージで臨みたい」。

　どう生まれ変わっているか、采配が楽しみだ。

　ホームランを打ちたいか水を向けられた清宮だが、ホームラン宣言をしなかった。「自分は昨秋の東京都大会の準々決勝から決勝までは、役に立てなかった。センバツは３番打者として、キャプテンとしてチームのためのバッティングをする」。

　特別な場所、甲子園では勝利が優先する――そしてやっぱり、歴史を作りたい、と言った。

「早稲田実業、（春夏合わせて）５０回目の出場で先輩方が出てくださった伝統、誇りがあるので泥を塗らないような試合をしたい。そして新たな歴史を作っていけたらいいなと思います。目指すところは優勝です。でもいつも通り一戦一戦、目の前の試合を勝ち上がっていきたい」

　清宮幸太郎のラストイヤーの幕が開ける。