スノーボードの“アイコン”も出場 白馬でフリーライド世界大会が開催

後藤陽一&宮田誠

白馬で開催する意義

「セーフティーファースト」をモットーに、大会実行委員会は事前に講習会を行った 【写真提供:goat jun yamagishi】

 大会を主催する白馬村観光局は、本イベントを国際山岳リゾート「HAKUBA」ブランドの海外へのPRとして、また過去約5年で急速に増加しているフリーライドやバックカントリーと呼ばれるスキー場の管理エリア外での滑走に対する安全啓蒙と位置づけている。外国人選手の中には、この大会に出場するために初めて来日した選手も多い。豊富な積雪と、白馬の「アルパインエリア」と呼ばれる急峻で多様な山岳地域の魅力を発信し、インバウンド観光客を地方に誘致できるポテンシャルがあるこのイベントは、経済産業省、観光庁、スポーツ庁がそろって後援。スポーツとしてだけでなく、観光や地方創生の文脈でも大きな注目を集めている。

 大会実行委員会は、「セーフティーファースト」をモットーにし、安全に大会を実施することを最優先にしている。10年以上世界中でフリーライドイベントを開催してきた経験豊富なFWTのセキュリティーチームと、白馬の山岳ガイドがタッグを組み、綿密に雪のコンディションや雪崩の危険性をチェック。選手の安全講習会、目視による斜面チェックを事前に行った。

「FWQ2スター」が開催された当日、選手は朝6時から特別に運行開始されたゴンドラに乗車。8時30分に無線機からフリーライド独特のスタート合図「ドロップイン!」の声が流れ、1人目の選手の滑走がスタート。 2年半に渡って計画されてきた白馬村の一大プロジェクトがキックオフした。

 スキー男子の種目は上位6名までを日本人が独占。河野健児、楠泰輔、吉田竜弥の3人が4スター出場権を獲得した。スノーボード男子でも、日本人最上位の2位になり4スター出場権を獲得した地元白馬の小林優太をはじめ、初めて見る日本人選手のレベルの高さに、北米・ヨーロッパから来たジャッジ陣が舌を巻いた。

世界のスノーボードアイコンであるトラヴィス・ライス(写真)の出場が決定。ハイレベルな戦いが期待できそうだ 【写真提供:Freeride World Qualifier】

 メインイベントであり、FWQの最上位カテゴリーにあたる4スターには、11カ国から参戦する37名に加え、2スターから主催者推薦出場権を得た7名、それにプレミアシリーズのFWTの選手が、ゲストライダーとしては異例の12名も加わることになっている。

 さらに、世界のスノーボードアイコンであるトラヴィス・ライスと、彼の最新ムービー「The Forth Phase」で共演した長野のトップスノーボーダー美谷島慎(びやじま・しん)の参戦が決定。12カ国58人で競う、超ハイレベルな大会になりそうだ。

「FWQ4スター」のドロップインは天候や積雪の状態から14日以降と予想されている。

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