石井監督「クラブW杯決勝の経験が生きた」 天皇杯決勝後 鹿島、川崎の監督会見

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試合後、風間八宏監督のコメント

決勝で鹿島に敗れ、うなだれる大久保の肩を抱く川崎の風間監督 【写真は共同】

「このチームは自分が思っている以上に未来がある」

 今日は選手が最後まで勝ちたい気持ちを出してくれたこと。実際、チャンスは多く作れましたし、われわれのサッカーを見せられたと思います。結果だけは残念ですが、次につながると思いますし、選手たちの成長を見ることができました。結果は悔しいですが、たくましくなった選手たちはそれ以上に喜びであり、誇りであったと思います。

──リーグ戦は1年間の勝ち点で決まるが、天皇杯は一発勝負の積み重ね。今日、勝利するために足りないものは何だったのか?(大住良之/フリーランス)

 これは経験だと思う。このクラブは選手層が徐々に厚くなっている。それも含めて若手の成長、そして中堅の選手も増えてくるでしょうから。まだまだ完成し切っていないチームですが、伸びしろはより大きいと感じています。

──今日、ゴール決めた小林(悠)も成長した選手の1人だと思うが、評価は?

 今日と準決勝はきつかったと思う。コンディションが万全でなかったですが、疲れていても、そのまま頑張ってもらいました。自分の期待することが大きくなり、それに伴って技術も伸びてきている。まだまだ伸びしろあるし、素直で強くなったので、そこのところでは期待できる。素晴らしい感覚を持った選手だと思います。

──具体的にどういったところに成長を感じたか?

 今日も多少のミスはあって、リズムも行ったり来たりしましたが、鹿島を相手にあれだけ押し込めるようになりました。最初のころは、強いチーム相手に押し込みたくても押し込めなかったが、今日もしっかり押し込むサッカーをしていました。1人1人がつながってチームになって、それが伸びた証拠だと思います。試合全体を通して良かったと思います。

──この5年間、チームを率いて感じた、プロの監督としての難しさと楽しさは?

 日本の選手、うちにいるブラジルの選手、あと(韓国人の)(チョン・)ソンリョンもそうですけれど、みな同じだと感じました。個人の戦術はまだまだ高まるし、日本の選手はそれを吸収することで、すごく変化していく。ただ強さで当たるだけでなく、自分たちを中心に考えるというところで考えると、すごく頭はいい。そういう意味では、驚きはそっちですよね。そういうところが集団の中で隠れている部分が多いので、個人戦術の大切さは、やりながら思いましたし、それが彼らの特徴になってどんどん変化していった。それが一番の喜びでもあり、僕よりも選手のほうが難しいところはあったと思います。そういう意味では、私が難しいというよりも選手が頑張ってくれました。

──最後の指揮を執るにあたり、選手にどんな声をかけたか?

 4年半ありがとうということ。簡単な作業ではないけれど、選手1人1人が自分たちがやるべきことを選んで、われわれの要求にもついてきてくれたことを感謝しました。選手がたくましくなったので、これだけ変化して自分たちのサッカーができるのは誇りだと思う。本当に監督として素晴らしい4年半だったので、ありがとうございましたという感じでした。

──来季、名古屋グランパスを率いることがほぼ決まっていると思うが、名古屋に決めた理由と来季の目標を教えてほしい。

 それはまた違う機会で。

──ここまできて、さらに上に行くことを望んでいたと思うが。(湯浅健二/フリーランス)

 このシーズンに入る前から(今季限りということは)決めていたこと。5シーズンという歳月は長いし、自分の中でもそうだし、選手でも刺激は必要だと思う。海外のチームのように、どんどん選手が替わっていくのであれば別ですが、どんどん積み上げてきた中で選手はある程度理解してきたので、競争が始まってくるんじゃないかなと思います。

 次はまったく何も決まっていない状態ですが、このチームを一度離れるほうがいいんじゃないかと、このシーズンが入ってから少しずつ話しながらやってきました。自分の中で、私自身ももっともっと、いろんなものを経験しないといけない。このチームは自分が思っている以上に未来があると思うので、(今後の成長を)楽しみにしています。

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