日本勢が世界を牽引するライトフライ級 田口vs.田中の統一戦機運も高まるか
評価を高めるためKO勝利を狙う田口
田口は、前回の宮崎戦も快勝だったが、評価を高めるためにもKO勝利を欲する 【写真:ロイター/アフロ】
外見に似合わず、田口も好戦的なタイプだが、8月の宮崎亮(井岡)戦では左ジャブと足でしっかり距離を支配し、着実にボクシングの幅を広げてきた。ただし、内容的には完勝でも、山場をつくれなかったことを反省。距離のアドバンテージを最大限に生かすことを念頭に置きながら、「今までの対戦相手の中で体の強さはトップクラス」と評価するカニサレスに対し、当たり負けしないフィジカル強化、接近戦での体の使い方と石原雄太トレーナーと対策をめぐらしている。田口、石原トレーナーともにKO決着への思いがひしひしと感じられる。評価を高めるためにも、統一戦につなげるためにもインパクトは必要。12月1日に30歳となって迎える節目の防衛戦を鮮やかにクリアすれば、視界は開けてくる。
キャリア最大の難敵に挑む田中
田中としてはキャリア最大の難敵との対戦となる 【写真は共同】
アマチュアキャリアをバックボーンに持つ21歳の田中は、まだ浅いキャリアの中で優れた対応力を発揮してきたが、本人は絶対的な自分の型がほしいと話す。田中の最大の武器であるスピードを“自分の型”としてどう取り込み、いかに生かしていくのか、現在も答えは模索中の様子。フエンテス戦に向けて、田中は精力的にスパーリングに取り組んでおり、様々な相手と手を合わせる中で引き出しを蓄積したいという狙いが見える。今回も状況に応じた対応力で勝負することになりそうだ。苦戦も十分に予想されるだけに、ここを勝利で乗り越えることは田中にとっては大きな意味を持つ。すでにライトフライ級でも減量は厳しく、その後は早めに勝負に出たいというのが本人と陣営の本音だろう。
来年は2冠王者の拳四朗も浮上か
日本、OPBFの2冠王者でもある拳四郎は、来年は世界挑戦確実だろう 【スポーツナビ】
長い歴史の中でも他団体の日本人王者同士による王座統一戦は2012年6月、当時WBC世界ミニマム級王者の井岡一翔(井岡)と同WBAミニマム級王者の八重樫の一戦のみ。実現はそう簡単なことではないが、今後の動向に注目してもらいたい。