ビーチバレー転向を決めた石島雄介の胸中 五輪や最後のVリーグに懸ける思いを語る

カワサキマサシ

ビーチバレーとインドアは別物

石島はすでにビーチバレーの大会を経験している。インドアとは別物だと語った(写真は2014年のもの) 【坂本清】

──グランフロント大阪での大会に出場されるなど、ビーチバレーは何度か経験されています。

 3年くらい前に、松本(慶彦)さんと一緒に大会に出させてもらって、高校生チャンピオンにやっと勝ったんです。インドアでやったら手も足も出させないくらいに勝てるんですけれど、あの砂場ではブロックされたり、いろいろなことをやられました。(ビーチバレーは)簡単じゃないんだとすごく驚いたし、悔しい思いをしました。

──インドアのバレーボールとは別物だった?

 別物ですね。経験もないし、どう動いていいかも分からないんです。ビーチは自然環境や相手の力量、自分の経験。それ以外にいろいろなものがミックスされて、プレーさせてもらえなかった。全く違うスポーツだと感じました。ビーチはすごく難しい。インドアでの実力差がある選手でも、対戦するとすごく強く感じるんです。大学時代にレギュラーにもなっていなかった後輩とか、「こいつ、大したことないな」と思っていた選手がビーチでプレーしていると、上手なんですよ。

──過去のビーチバレー経験で、手応えを得たことはありましたか。

 ブロックとかディフェンス能力に関しては、インドアと変わらずいけると思いました。逆に今インドアをやっていて、ビーチの経験が生きていることもあります。ビーチバレーは、簡単にダイブして(ボールを)捕ってはいけない。足を使って捕らないと、次に自分が攻撃をすることができない。そういうことは、インドアで6人いる中では気付かないんです。足を使わずにボールを簡単に、雑に扱うことも多い。そういった部分が、インドアに戻るとすごく勉強になりました。

「ここから巻き返してドラマを作りたい」

Vリーグ最後のシーズン。石島は最後まで全力で戦うことを誓った 【カワサキマサシ】

──ペアはどうするのかなど、今後の考えはありますか。

 イメージもないですね。できれば経験があって、自分自身が勉強をさせてもらえる方と組ませていただけたら、すごく勉強になると思います。素人同士だとどうしようもないので(笑)。

──二人しかいないから、ペアはすごく重要ですね。

 相性は大事だと思います。ビーチバレーは二人でやるので、仲が悪くなることもあるらしいんです。テレビでよく聞く芸人みたいな感じなのかな(笑)。僕は仲良しではなくて、プライベートはバラバラでもいいと思います。お互いの勝ちたい思いがぶつかり合うことに対して、ネガティブに考えていません。むしろ、それを望んでいます。

──ビーチ転向は新しい挑戦ですね。

 かなりビッグな挑戦だと思います。これが22歳とか、若かったら普通でしょうけれど。大学からブレイザーズに入ったとき以上の挑戦です。

──今季はインドアのプレーヤーとして集大成のシーズンになります。

 悔しい思いもしているし、けがばかりで最後まで戦い切れないシーズンが多かった。今季はけがをしないことを念頭に置いてプレーしてきましたし、最後という思いも込めて、最後まで戦い切って優勝したい。今までのシーズンとは自分の気持ちも、良い意味で全然違います。今は結果が伴っていない(8試合を終えて堺は7位)ですけれど、ここから巻き返してドラマを作りたいですね。

──自分のどんなところを見せたいですか。

 結果がすべてで、いくら言葉を重ねても美化されない世界なので、優勝して終わらないと。やっぱり、優勝したいです。自分自身が最後までプレーして、優勝したい。その場にいたいですから。そこに向けてはかなり頑張らないと、今のチーム成績からすると厳しい。

 もしそれがかなわなくても、最後まで戦いたいです。今まで応援してくださったファンの皆さんのためにも、自分自身のためにも。

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著者プロフィール

大阪府大阪市出身。1990年代から関西で出版社の編集部員と並行してフリーライターとして活動し、現在に至る。現在は関西のスポーツを中心に、取材・執筆活動を行う。

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