非常識だからこそ「ビールかけ」だ! カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

【カネシゲタカシ】

 今やすっかり定番となったプロ野球の「ビールかけ」。その様子が報道されるたびに聞こえてくるのが「ビールをかけるなんて、もったいない」「非常識だ」という一部の声です。

 例えば1999年の福岡ダイエーホークス(現ソフトバンク)などは、そんな世間の批判に配慮するかたちで「祝勝水」なる炭酸水をかけあったこともありました。

 でも、それじゃダメなんです。

 ビールがもったいないのはごもっともです。非常識なのもごもっともです。でも、もったいなくて非常識だからこそ、意味があるのです。

酔っ払いとは違う不思議な高揚感

 プロ野球の「ビールかけ」、その起源は59年の南海ホークス(現ソフトバンク)優勝にさかのぼります。ハワイ出身のカールトン半田という選手が祝勝会の席で「アメリカではこうするんだぜ」と、シャンパンファイトのように他の選手にビールをかけたのが始まりなんだとか。それ以来、日本プロ野球の伝統的行事としてビールかけは定着することになったそうです(ウィキペディアより)

 ところで皆さんは、実際にビールかけをやった経験はありますか? 僕は一度だけあります。それは去年の12月、普段から仲良くしているタレントで声優の杜野まこさんが主催する『アルコール消毒会2015!』というビールかけイベントに呼んでいただいたときのこと。そこでは光栄なことに僕が乾杯(かけ杯?)の音頭をとらせていただくことになりました。

「お前さんたちはね、強いサムライになった! おめでとう!!」

 ええ、第2回WBC、シャンパンファイトでの原辰徳監督よろしく叫ばせていただきました。男なら一度は言ってみたいセリフ。あれは気持ち良かったな。

 そして、それを合図に始まったビールかけも実に楽しいものでした。飛び交う泡と歓声、肌を伝うピリピリとした感覚、あたり一面に漂うビールのにおい。とんでもない非日常感と解放感、そして連帯感!

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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