卓球日本女子が戦った“苦しい五輪” 「前回の銀より重い」銅メダル
悪い流れを断ち切った石川の勝利
試合後に笑顔を見せる女子代表の3人 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
「私は今まで五輪を3大会経験していて、メダルを取れた五輪と取れなかった五輪の差を痛いほど分かっています。なので、まずはメダルを死守することができて本当にホッとしていますし、感謝しています」
リオデジャネイロ五輪の卓球女子団体3位決定戦で、日本はシンガポールを3−1で破り、銅メダルを獲得した。日本は1番手の福原が敗れたものの、その後の石川佳純(全農)、福原と伊藤美誠(スターツ)のダブルス、伊藤が勝利し、2大会連続となるメダルを手にした。
悪夢のような敗戦を喫した準決勝のドイツ戦(2−3)から2日。日本の3選手は見事な立ち直りを見せた。約4時間にも及んだ勝てる試合を落としたショックや疲労に加え、目標としていた「中国との対戦、銀メダル以上」が崩れたあとの3位決定戦だ。再びモチベーションを上げるのは難しいように思われた。
しかし、3選手に迷いはなかった。石川はこう振り返る。
「みんながすごく悔しい思いをした準決勝だったのですが、まだメダルを取れるチャンスがある。落ち込んでいる場合じゃないとみんなで切り替えられました。自分が必ず2勝すれば、あとの2人が絶対に勝ってくれると思っていました」
1番手の福原が敗れ、嫌なムードが漂った中、続く石川がそれを断ち切った。対戦したフェン・ティアンウェイは、ロンドン五輪の女子シングルス3位決定戦で敗れた因縁の相手。自身も第1ゲームを7−10とリードされ、ゲームポイントを握られたが、そこからの5連続得点でひっくり返した。これで勢いに乗った石川は、その後も2ゲームを連取し、ストレート勝ちを収めた。