ラグビー日本代表、大躍進の世界4位 斉藤祐也が好成績の理由を解説

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「時間をつくる」プレーで相手を混乱させた

ニュージーランド戦勝利の立役者となったレメキ 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

――今大会の大躍進のポイントは?

 アタックでは間合いを取りながら相手を翻弄(ほんろう)することができたのが良かったと思います。大会前に「時間をつくる」プレーが大事だと話しました。「時間をつくる」とは、相手ディフェンスとただぶつかるのではなく、ディフェンスの間合いを外して相手を混乱させることです。

 今大会ではレメキ(ロマノ)や合谷(和弘)がそうした動きで攻撃のリズムを変えて、効果的なアタックを生み出しました。またサインプレーもよく考えられていて、角度を変えるスイッチや、意表をつくラインアウトモールなどが決まっていましたね。

 また、ディフェンスも最終日は崩れましたが、それまでは素早く判断し、チームとして連動した良いディフェンスができていたと思います。

フィジカル強化の継続とスペシャリストの育成を

準々決勝、フランス戦の勝利を喜ぶ後藤(右)と豊島 【写真:ロイター/アフロ】

――今後のセブンズ強化に期待することは?

 今大会で4年後の東京五輪に向けて、日本の戦い方が見えたと思います。

 強みにするのは運動量とディフェンスです。15人制日本代表のエディー・ジョーンズ前HCは、フィジカル強化から日本代表を躍進させました。「セブンズと15人制は違う」と言われがちですが、実際には同じで、やはりフィジカル強化は大前提です。そこにセブンズ用のスペシャリスト……キックが得意な選手やトライを取り切れるスピードのある選手を育成していってほしいと思います。

 これまでセブンズは長期的な強化がされてこなかったのですが、ここからは今回の結果をベースに継続して強化することを期待します。

――今大会を改めて振り返ると?

 日本代表が世界で4位……本当に素晴らしいです。後藤(輝也)のスピードは印象的でしたし、合谷のステップも相手を翻弄(ほんろう)していました。若い彼らがこうした経験をできたことは、今後の日本ラグビー界にとって大きいと思います。毎日興奮する試合だったので寝不足になりましたが(笑)、良いものを見せてもらいました。

(取材・文:安実剛士/スポーツナビ)

斉藤祐也/YuyaSaito

 1977年4月8日生まれ。身長185センチ、体重100キロ(現役時代)。東京都出身。東京高‐明治大‐サントリー‐コロミエ(フランス)‐神戸製鋼‐豊田自動織機。日本代表キャップ14。

 東京高2年時に高校日本代表に選出。明治大では1年からレギュラーとして大学日本一に貢献し、4年時には主将を務める。サントリーではウェールズ代表を破るなどレギュラーとして活躍する。2002年にフランスのコロミエに移籍。その後は神戸製鋼、豊田自動織機でプレーし、11年に引退。

 現在は「コーディネーション・アカデミー」で、子どもたちにさまざまなスポーツ競技を指導する教室を開催。スポーツを通して、体を動かす楽しさを伝えている。

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