一番若くて小さな日本バスケの挑戦 成熟した五輪出場国に成長力で挑む
アジアナンバーワン司令塔のキャプテン・吉田亜沙美。「どんな相手にも思い切り立ち向かっていく」と気合十分 【写真:Koki Nagahama】
あとは、いかにしてリオの舞台で戦うか――だが、今大会は「完成されたチーム」が多く出場しており、近年の中では一番難しい大会になることが予想される。特に日本のグループには成熟したチーム力で集大成を迎える国が多く、そんな中で平均年齢がいちばん若く(24.7歳)、平均身長が唯一180センチに満たない177センチの日本が上位進出を果たすことは容易ではない。若さは年齢だけのことを言うのではない。近年のワールドクラスの大会で決勝トーナメントに進出したのは、20年前のアトランタ五輪までさかのぼらなければならず、国際大会でのキャリア不足も否めない。果たして、そんな中で日本は何を強みにして戦うべきなのか。3つのポイントを挙げてみたい。
【ポイント1】初戦のベラルーシ戦、2戦目のブラジル戦がカギ
ベラルーシは6月の世界最終予選(OQT)では予選ラウンドで韓国に惜敗し、出場決定戦となる準々決勝でも中国を勢いに乗せてしまい大敗した。しかし、最後の1枚の切符をかけた敗者復活の決定戦で立て直しを図り、韓国との再戦ではアウトサイドシュートを完璧に封じてリオの切符を手にした。今年に入って、中国と韓国がOQTでベラルーシに勝っていることからも日本にもチャンスは十分にあるが、対策を立てて韓国を見事に封じた総合力と高さには要注意だ。
ブラジルは個人技とパワーを擁するが、オーストラリアやフランスよりは粗さがあり、つけ入る隙はある。ただし、大会前の練習試合では手応えはあったものの2連敗を喫しているうえ、何といっても開催国だけに簡単には崩れないだろう。
昨年のアジア選手権、日本はWNBAに参戦していた渡嘉敷が直前に合流したことで、大会を通してコンビネーションを高めていき、決勝の中国戦では35点差(85−50)と爆発した。しかし、リオではその戦い方は通用しない。幸い、渡嘉敷は当初の予定より合流が5日ほど早まって2週間の調整期間を得た。3戦目以降は近年の世界大会で上位のトルコ、オーストラリア、フランスが待ち受けているだけに、初戦から勢いづく戦いを展開し、何としてもベラルーシ戦をもぎ取るスタートを切らなくてはならない。