減少傾向にあるプロ野球の地方開催 考えるべき「文化的公共財」の意義
地方開催ゲームで選手たちに声援を送る子どもたち(写真は2013年に北海道・旭川で開催された試合のもの) 【写真は共同】
70年代〜80年代が最盛期
【ベースボール・タイムズ】
プロ野球が日本社会の娯楽に定着していく中、再び“地方へ”の流れになったのは70年代に入ってから。70年の21試合が、翌71年には34試合と増え、その後、37試合、45試合、67試合と右肩上がり。79年には計84試合が地方球場で行われた。さらに80年代に入ってからも各球団が積極的に地方遠征に繰り出し、89年には過去最多の95試合が地方球場で開催された。
しかし、その後は減少傾向となる。80年代の10年間で年平均78.2試合が、90年代は63.4試合、そして2000年代は年平均49.3試合となっている。
一因は球団の地方分散だが……
だが、それだけが理由とは言い切れない。近年の開催地を地域別に見ると、球団“空白地”である北信越、中国、四国などの試合数が減少。96年までは現在よりも13試合少ないシーズン130試合制であり、全体の試合数における地方開催の割合は実数以上に少なくなっている。