江越大賀、新生金本阪神の3番として――「もっと打撃の質を上げていくことが必要」
練習でも試合でも大事にプレーする
金本監督の若手起用で競争が激化。とにかく結果を求めてガムシャラにプレーし続けている 【写真=BBM】
実は4月12日のDeNA戦(甲子園)で左投手の今永(昇太)が来るから、そこで使うというようなことは言われていました。
――前倒しで4月7日の広島戦(甲子園)でスタメン出場。
いやあ、ビックリしましたし、うれしかったです。今季初スタメンで、すごく緊張しました。しかし、そこまで力んでなかったんです。地元甲子園で、守備から始まったので、リズムよく打席に入ったのが、第1打席での本塁打につながったのかな、と思います。
――打順は2番だったのですが、何か注意したことはありますか。
試合前に金本監督から「2番だけど、2番らしいバッティングはしなくていいから」と言われたので、普通に打席に立てました。
――金本監督からいろいろなアドバイスを受けるんですか?
バッティングに関してだけです。打撃練習中、後ろでじっくり見てもらっているので、その中で監督から声をかけてもらうことが多いですね。今のところは自分から聞くということはないですね(苦笑)。
――見てもらっているとモチベーションは上がりますよね。
というよりは、しっかりとした打ち方をしないといけないな、と思います。
――4月8日の広島戦では黒田博樹投手からも本塁打を放ち、それ以降は3番に入っています。これでずっとクリーンアップを打つぞ、という意識が出てきた。
それもありますが、ずっとアピールしないといけない、と思っています。今年のチームは調子の良い選手からどんどん使っていっているので、クリーンアップを打たせてもらったからといって安心はまったくできないです。
――では、自分の打撃の調子が落ちたら……という恐怖心がある。
もう、そのとおりです。そうなったら代えられるだろうな、と。だから練習でも試合でも大事に、大事にプレーするようになりました。
毎日1本ヒットを打つことが大事
例えば、本塁打を打つと、気持ちがまた本塁打を欲しがるんです。そうすると打席で打つときに、体が三塁側や投手寄りに開いていくことがあるんですが、そこをしっかり抑えて開かないように意識したりしています。そのような気持ちの部分で打撃フォームを崩してしまうので、意識はしっかりと持っておきたいです。
――ヒットを打ってもそういう意識ですか?
そこは少し違います。得点のチャンスの場面で、打撃フォームを崩されてもヒットとなって点が入る。もしくは犠牲フライで点が入るというときは、チームの勝利のためなので、納得しています。それに自分の中で、どういう打ち方で崩されてヒットを打ったということが分かれば、次の打席で改善できます。
――では、打撃フォームが崩れていく要因はどこにあるんでしょうか。
内角を厳しく投げられたあと、外の変化球に手を出してしまって三振、という場面が増えてきたときです。それが分かっているので、なるべく内角を投げられても意識しないように、自分の型を崩さない意識を強く持っています。
――スタメンで出場すると4打席くらいはあります。その中で修正をしながら、というイメージですね。
1打席目が悪かった場合、なるべく早く修正しないといけません。レギュラーを張る選手は、その打席の中でいろいろと修正すると思うので、自分もその域に達したいと思います。
――修正と言えば、12日のDeNAの今永投手から2三振した後、3打席目に逆転の二塁打を放ちました。
最初の2打席とも高めの真っすぐを振らされている感じがありましたので、3打席目は絶対にその高めをとらえようと思って……結果的にうまくいきました。
――今はスタメンを続けています。シーズン終わりまで出続けるには何が必要でしょう。
もっと打撃の質を上げていくことが必要です。そして毎日1本ヒットを打つことが、最大のアピールだと思っています。試合に出たら常にアピールしていく、その積み重ねで、スタメンに使ってもらえるんだと思っています。そして1本でも多くヒットを打って、チームの勝利に貢献したい。「自分が打って試合に勝つ」ことが一番の理想ですね。その上で、今シーズン2ケタ本塁打を打ちたいと思っています。
特に横田には負けたくない!
「横田(写真左)には特に負けたくない」とライバル心をむき出しにする 【写真=BBM】
取材・構成=椎屋博幸(BBM)