渡部香生子、“リオ内定”が重圧に 練習積めず個人メドレーで代表逃す
自ら得たアドバンテージを生かせず
平泳ぎ2種目で五輪に挑む。この悔しさをリオで晴らすことができるか 【奥井隆史】
「悔しいというよりあんまり言葉が出てこないです。全体的に体が動いていなかったですし、最後は全身がつっているんじゃないかと思うくらい疲労がすごかったので、ただ単にトレーニング不足かなと思います」
渡部はぼう然としながら、レースを振り返った。最初のバタフライで7位と出遅れ、得意の平泳ぎで2位まで浮上したものの、最後の自由形で15歳の今井月(豊川高)に逆転を許した。まだ結果を消化しきれなかったのだろう。前日は100メートル平泳ぎで五輪の出場権を獲得したこともあり、表情は明るかった。「内定を得ている分、余裕を持って泳げているので、選考会でも楽しんでレースができている」と笑顔を見せていたが、一転してこの日は終始うつむいたままだった。
「リオ五輪は平泳ぎだけになってしまったので、あとは気持ちを切り替えてやっていくしかないと思います」
渡部は自らが得たアドバンテージを最大限に生かせなかった。この悔しさを晴らすためには、リオ五輪の平泳ぎで最高の結果を残すしかない。
(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)