ドゥラメンテ劇場、いざドバイで開演! 千秋楽パリ公演へ腕試しの絶好機会
最大のライバル・ポストポンドの実力は?
数字上の比較なら最大のライバル・ポストポンドに対しても優勢だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
2016DCG:27秒48−52秒18−1分16秒95−1分41秒30−2分4秒53−2分27秒90
2014DSC:27秒77−52秒07−1分15秒74−1分39秒49−2分3秒32−2分27秒25
※どちらもレースではなく馬自身の400mラップ
ジェンティルドンナの走破時計2分27秒25は今日まで破られていないコースレコードだが、ポストポンドのラップと比較すると中間点(1200m)で1秒21、1600mでは1秒81と2秒近くも速かった。走破時計が速くなるのも半ば当然で、1600m地点で1秒81あった差を、最終的に0秒65まで詰めたポストポンドの末脚も確かなものだ。
そして、ジェンティルドンナはオークス、ドゥラメンテはダービーと、3歳春に東京2400mでG1勝ちしている。走破時計はドゥラメンテが0秒4、上がりも0秒3速い33秒9を記録。逃げ馬の通過ラップはダービーの方がオークスより最大0秒5遅く、この流れをドゥラメンテは4角7番手で通過した。ジェンティルドンナはより速い流れを4角15番手で追走しており、その位置関係から両馬は同じようなラップを刻んでいたと推定できる。
2015ダービー:23秒6−47秒1−1分11秒3−1分36秒2−2分0秒5−2分23秒2
ドゥラメンテ:上がり33秒9(4角7番手)
2012オークス:23秒5−47秒1−1分11秒0−1分35秒7−2分0秒0−2分23秒6
ジェンティルドンナ:上がり34秒2(4角15番手)
※400mごとのレースラップ
あくまで数字上の比較でしかないが、走破時計の0秒4差を能力分とすれば、三段論法的にドゥラメンテはポストポンドに対しても優勢となる。
凱旋門賞挑戦を表明しているドゥラメンテにとって、ポストポンドは超えなければならない壁であり、半年前の段階で腕試しできるのは願ってもない機会。欧州トップホースの実力を見極めると同時に自身の課題を洗い出し、その上で結果がついてくれば今回の遠征は100点だ。
Text by 渡部浩明