手倉森監督「際にものすごく興味が湧いた」 U−23ポルトガル遠征メンバー発表会見
サイドバックは左右やれるという条件が非常に大事
手倉森監督は際を抜てきした経緯について「実際に映像を見て興味を持った」と語った 【スポーツナビ】
手倉森 ファンはうちのテクニカルの寺門(大輔)がいろいろ調査をしていて、五輪最終予選のエントリーの中にすでに入れていたと。今回、室屋(成)、マツケン(松原健)がけがをしたのに対して、まず候補者の1人として映像を集めてくれと(頼みました)。その映像を見たときにものすごく興味が湧いてきたので。ヨーロッパに行ってメキシコと(試合が)できるというタイミングで、彼はオランダでやっていますから、招集するチャンス、また縁があるのではないかと思って選びました。
矢島と櫛引を外したのに関しては、もう十分彼らの力は分かっていると。そのポジションでまた新たなライバル、力を試したいという方を優先して、彼らを外しました。直接彼らには電話で話をして、理解はしてもらっています。
――今回、室屋選手と松原選手がけがで離脱している中、オランダから際選手が選ばれているが、サイドバックはどのように強化していきたいか、新たな発掘ということでどのように考えているか?
手倉森 いなくなったから違うやつ(選手)を探せというお知らせだと思っている。そこに対して、ファンが浮上してきた。実は彼はどこでもできる。メンバーに入っている亀川も両サイドできる。もちろん(今回)外れた室屋もそうだったんですけれど。本大会になれば、18人に絞らなければいけない。2つのポジションをやれる条件がつくというのは、また色濃くなってくるだろうなと思ったときに、左右やれるという条件は非常に大事になってくるだろうなと思っています。
そういう意味でこのファンは、両サイドそしてボランチもこなせるという。前節は左サイドハーフで出ていたという、ロングスローもあるし、今までのU−23代表が武器として持てなかった部分というのを彼が可能性として落とし込んでくれればなという期待をしています。サイドバックに関しては、これからは両方やれるというのがちょっとした条件になってくるのかなと思います。
本大会に向けては違うオプションを作っていく
今回のメンバーに入れなかった選手にも可能性があると感じてほしいと語った手倉森監督 【スポーツナビ】
手倉森 新しい選手もあの大会(五輪最終予選)を見ていたはずだし、だいたい自分が(チームに)入ったときのイメージを持ちながら(遠征に)来てくれると思います。この世代の選手たちは非常に理解度が高いと踏んでいますし、逆に言えば、最終予選が終わった後の1回目のキャンプで、これだけメンバーを入れ替わるということは、今回のメンバーに入れなかった選手にも可能性があると示唆していることをぜひ感じてほしい。そういう狙いもあります。
――今回、メンバーが22名選ばれているが、あと1人追加があるのか?
手倉森 僕が22人にしました(笑)。これから本当に本大会に向けて、18人に絞っていかないといけないですから。これまでの活動は23人というところがありましたけれど、徐々に減っていくんだというのも覚悟しなければね。間違いなくフィールドプレーヤーは、まるっきり2試合メンバーを代えてターンオーバーができるわけじゃないというところに対して、ちょっと連戦させたい狙いもあるので。一気に減らすよりは、22人で今回はやらせてもらいたい、という話を俺の方からしました。
――今回新しく6名が選ばれたが、これから本大会に向けて、選手選考の中で監督が考えるのは、最終予選から監督が求めてきたチームの戦術により合う選手を選ぶという観点で考えるのか。それとも、最終予選の選手をベースとしてさらなるオプションを加えていきたいと考えているのか?
手倉森 さらなるクオリティーを高めたいという狙いです。アジアである程度、割り切った戦いというのを覚悟したメンバーがあの23人でしたけれど、これから戦う世界という国は、また違った持ち味で戦わなければならない状況が出てくる。
例えば、ひとつ例に挙げたら、アジアでの戦い方は浮いたボールが多かったかもしれないけれど、世界の戦い方は地上戦が増える可能性がある。そうなったときになるべく優先順位を、下のパスで崩せるようなクオリティーを高めておきたい。まあそうなったときに鎌田や関根が、アジアでは使いませんでしたけれど、世界では可能性が出てくるだろうなと。そこをまた探りたいと思います。
――FWが3人で2試合を回すということで、これまで基本的には「4−4−2」がベースだったと思うが、違うシステムも考えているか?
手倉森 鋭いですね(笑)。その通りです。さっきは世界との戦いで、また違った戦い方を用意するという話をしましたが、「4−4−2」をベースにして戦ってきたアジア予選とは違うオプションを本大会に向けては作っていかなくてはいけないなと。このトップ下を置くオプションは本来、A代表でもあるように、日本の強みのシステムだと思っていますから。これはまた、本大会に準備することで、よりA(代表)へとつながるような強化、そういったところも狙ってやっていければと思っています。