飯伏幸太、2団体退団の本音「飯伏プロレス研究所(仮)は自由」<後編>

佐瀬順一

1度は断ったDDT両国での復帰

高木社長から両国での復帰を打診された時、最初の答えは「NO」だったが…… 【スポーツナビ】

――では、復帰に向けた話を聞きます。コンディションも良くなってきて、いざ復帰しようかなと思った時はどうしたのでしょうか? 例えば高木(三四郎)さんは恐らく飯伏選手のことを気にかけて「どうだ?」みたいな連絡を入れてくれたと思うんですけど、そこで「もう大丈夫そうです」みたいな感じで言ったとか。

飯伏 本当にそんな感じです(笑)。今年に入った辺りから高木さんとは定期的に食事に行っていたんですけど、最初はプロレスの話もしていなかったんですよ。それが少しずつプロレスの話をしていくようになって、高木さんから「(3.21のDDT)両国どうだ?」って。でも一度は断ったんですよ。

――それはどうして?

飯伏 やっぱりみんなに合わせる顔がないとか、DDTで復帰するなら、すぐに新日本にも出ないととか、いろいろなものがあったんで。だから最初に聞いた時は「無理だな」って感じたんで断ったんですけど、そのあと3日くらいずっと頭から離れなくて。いろいろな人と話をしている中で「出たほうがいい」って言われることが多かったし、「やってみようかな」「またプロレスできるかな」って気になってきて。あと(復帰戦の)メンバーですよね。

――対戦カードは、高木さんが葛西純選手と組み、中澤マイケル選手がKENSO選手と、飯伏選手のパートナーは伊橋剛太選手となります。飯伏選手としてもやはり魅力的ですか?

飯伏 そこですよね。両国は一度区切りというか、ケジメとなる試合なので、そこで高木さんとやりたかったです。あとはやっぱり中澤さんですよ! このレベルの相性(のいい選手)はいないですよね。それに僕が両国で路上(※)やるのは初めてですからね! そう考えたらこれはやるべきだなと思って。

試合形式は、東西正面向正面全面使用エニウェアフォール・ウェポントレジャーハント3WAYタッグマッチとなる

一気に動いて決まった「飯伏プロレス研究所(仮)」

――復帰に向けて考えている中で、どのタイミングでDDTと新日本プロレスの両団体退団、というか卒業しようという考えになったんですか?

飯伏 う〜ん……。このまま行っても自分にとっても、DDTにとっても、新日本プロレスにとってもプラスにはならないなって。間違いなく同じことを繰り返すだろうと。だから自分で1回ゼロにしたかったんです。

――2団体所属を続けていたら、またいずれ精神的にも肉体的にも悲鳴をあげて爆発してしまうと?

飯伏 そうですね。でもゼロにしようと思ってからですね、(飯伏)プロレス研究所っていうのが出てきたのは。本当にここ1カ月ないくらいの話です。

――では高木さんと復帰に向けて話し合いをしてから、両団体を退団して「飯伏プロレス研究所(仮)」設立までの話は一気に進んでいったんですね?

飯伏 一気ですね。だから今後もいろいろな方面に“何か”が一気に行く可能性がありますね(苦笑)。どうなるか僕も分からないです。それが非常に楽しみです!

――別にDDTとケンカ別れしたわけでもないし、プロレスをやる上で新日本プロレスはやはりいい環境だと思います。でもこの2つを卒業して手に入れた“自由”というのは、今後の飯伏幸太にとっては絶対プラスになる?

飯伏 僕はプラスになると思います。じゃないと決断しなかっただろうし、ちょっと生々しい話ですけど、所属でなくなるということは給料がゼロになるってことじゃないですか(苦笑)。

――それはプロレスに限らず、フリーとはそういうものですよね(笑)。

飯伏 そうですよね。それでもプラスになると思ってますから。そう思えたのは休んでいる間に動画サイトを見たからです。アレを見てなかったら、多分そういう考えにはなってないです。

2つの“カン”を大事にしていく

“自由”なプロレス。それが「飯伏プロレス研究所(仮)」だ 【高木裕美】

――プロレスラーになりたいから格闘技を始めたことや、プロレス界に入った頃に抱いたワクワクした気持ちを思い出すため、1回ゼロになってそこからスタートする決断をしたと。「飯伏プロレス研究所(仮)」でやりたいことは、何か具体的には決まりましたか?

飯伏 いや、具体的なことはまだですね。でもとりあえず誰もやっていないようなことをやってみたいと。そもそもプロレスのリングが四角形っていうのも何でか分からない。三角でも丸でもいいのかもしれない。そういう部分から全部変えていきたいっていうのもあるし、そもそもリングがあるのかないのか、それも分からない。“カン”です! カンで行こうと思ってます。そのカンっていうのは2種類あって、感覚の“感”と“勘”ですね。

――感覚っていうのは、飯伏選手もそこそこのプロレスキャリアがありますから、今までの経験から「これはやったほうがいい」「これはやらないほうがいい」と判断できるという感じですか?

飯伏 そうですね。勘は単純に「面白い」「やってみたい」って思うかどうかですね。その感と勘で今までやってきたんで、そのまま任せようと思います。だから自分でも何が起こるか分からないです。

――その感と勘で「飯伏プロレス研究所(仮)」がGOサインを出して、多くの人に「プロレスって面白い」と思ってもらえるような魅力的なオファーが来ることを期待しています。

飯伏 そうですね。基本的に団体は問いませんし、いいと思ったらやるし、いいと思わなかったらやらない。ただそれだけなんで制限はないです。自由です!

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