なぜトップランナーはサングラスを掛けるのか? 青山剛のランニングナビ

青山剛

「肩甲骨の動きが悪くなる」「無駄に足を使う」などフォームへの影響大

【Getty Images】

 さて、ここからがもっと大事な話です。

 では目がまぶしかったり、ゴミが入ったり、紫外線を浴びたりすると、どのように走りに影響するのでしょうか?

 人は目がまぶしいと、目を「すぼめ」、目の周りの筋肉が緊張します。そうすると肩が上がりやすくなってしまいます。肩が上がってくると、これまでも度々その大切さを話ししてきた「肩甲骨」の動きが悪くなり、結果的に体幹で走るためにはマイナスになるというわけです。

 また、肩が上がると、もう一つ大切な「腹筋」が使いづらくなり、走る際の腹筋の役割である「姿勢保持と肩甲骨と骨盤の連動」が低下し、同じく体幹で走るには厳しくなってしまうのです。

 そして、走る際に目にゴミが入ったりすると、気になってしまい「目や顔に意識」がいってしまいます。本来下腹部にあってほしい意識(私の指導では合氣道で教わった「臍下(へその下)の一点」といいます)が、高いところにいってしまうと、顕著に体のバランスが悪くなり、不安定になります。
 不安定になるので、人は手足でバランスをとって安定させようとしていまい、分かりやすく言えば、これも体幹があまり使えず「無駄に足を使う原因」になるのです。

 さあ、これでトップランナーがサングラスを掛けて走る理由が少しお分かり頂けたかと思います。

 どうしても日本の場合、サングラスのイメージが「怖い」「格好をつけている」となりがちですが、もうそろそろ「眼」に対する意識、「眼を守る」習慣を考えてもいい時代です。これからはぜひ「正しいサングラス」を着用して走ってみてください。

※誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は、毎月東京、千葉などで開催中です。詳しくはTeamAOYAMAホームページまで!

2/2ページ

著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント