アメリカズカップへ思いを馳せる新戦力 五輪の夢破れた2人の未知なる挑戦
両者から感じられた強い意志
そんななかで笠谷が選ばれた理由として、本人は「アメリカズカップのクルーとして求められるのは、体力的にハイレベルの強度を長期間維持できるかというところにあり、そういう点ではボート競技に近い」と語っている。
選考会でもボート競技用のトレーニング機材を用いてテストが行われた 【中山智】
一方の吉田も、「行き着くところはヨットということで同じですが、これまで乗っていた艇とはスピードも違うので、自分をきっちりとアメリカズカップの艇のやり方にシフトしていく必要がある」としている。
今回2人が合格したのは、「グラインダー」(編注:ウインチと呼ばれる巻取り機を使いシートを引き込む)というポジション。これは吉田が今まで経験した艇にはないポジションだ。「まずはちゃんとトレーニングをしてグラインダーとして仕事ができるようになりたい。それができなければ、今までのキャリアは関係なく捨てられてしまうと思っている」と、自分を厳しく見ている。
陸上ではグラインダー用のマシンを使ってトレーニングを行う 【中山智】
これまでは早福和彦総監督以外は外国人クルーで構成されていたソフトバンク・チーム・ジャパンだが、待望の日本人クルーが加わったこともあり、今後はチームの成績だけでなく、彼ら2人の活躍にも期待していきたい。