――リオ五輪まで約半年。どのような位置づけの大会にしたいか？

水谷　世界卓球もものすごく大事な大会であって、五輪と世界卓球のどちらが大事かと言われても比べることのできない、同じくらい大きい大会だと思っています。ただ世界卓球の場合は３位決定戦がないので、そういう意味では五輪よりもメダルを獲得する可能性がかなり高いのではないかなと思います。逆に言えば、世界卓球で３位であっては五輪でメダルを取れる可能性が少ないと思うので、今大会では決勝まで進出して、そうすることによってリオ五輪でのメダルへの大きな可能性となるんじゃないかなと思います。

丹羽　水谷選手とほぼ同じなんですけれども、五輪と世界卓球、同じくらい大事なので、今は世界卓球のことで頭がいっぱいです。４大会連続銅メダルなので、どうしたらそれ以上取れるかということをすごく考えています。

吉村　僕自身、世界卓球のような大舞台での団体戦に出ることが４年ぶりなのですごい緊張していますけど、五輪前の非常に良い機会でもあるし、自分がこの４年間で成長してきたことをこの世界卓球で見せたい。それで自信になって五輪に向かっていけたらいいかなと考えています。

伊藤　世界卓球に初めて出させていただきます。五輪に向けてっていうのもありますけど、まずは世界卓球だけに集中して試合に臨みたいです。でも世界卓球が終わったらしっかり五輪へ向けて（切り替えたい）。一つ一つ課題があるので、そこに向けて頑張りたいなと思います。

石川　世界卓球は今回団体戦ですし、五輪へ向けて団体戦の大きな大会というのは最後になると思うので、すごく五輪に向けても大きな大会になりますし、世界卓球と五輪は同じくらい大切なので、まずは世界卓球で良いプレーをすることが目標ですし、良いプレーができれば五輪にもつながってくると思います。

福原　リオ五輪に向けて今回の世界卓球が最後の団体戦となるので、今回の世界卓球でみんなでチーム一丸となって良い結果を残して、良いイメージを作って、リオ五輪でまた銀メダル以上を獲得することができたらいいなと思っています。

――リオ五輪へどのような収穫、課題をあげたいか？

男子・倉嶋監督　リオ五輪と今回の世界卓球では試合方式が違うので、戦略としては全く別物になってきます。ただ世界卓球から半年後のリオ五輪へ、この大会で自信をつけるということは大きな収穫につながると思います。先ほど水谷選手が言ったように、なんとしても今回は銅メダル以上を目指して結果を出して、いい自信を持って五輪に臨めたらなと思います。

女子・村上監督　ロンドン五輪前の世界卓球よりも、今回のほうが数段レベルが上がっているように感じます。特に女子の予選リーグであたる北朝鮮。北朝鮮は現在、国際試合に出ていないため世界チームランキングがすごく低いんですが、実際は日本と同じくらいの、世界ランキング２〜３位の力があると思っています。そのチームと予選であたります。勝っても負けてもすごく接戦になるでしょうが、リオでメダルを取る、決勝に行くとなれば、必ず北朝鮮と戦うことになると思います。そういう意味では、今回予選であたってすごく良かったと思っています。ここでいろんな情報を収集しながら、リオに備えられると思っています。

――打倒・中国でこの１年で取り組んできたこと、また手応えなどはあるか？

女子・村上監督　毎年、打倒・中国ということを言い続けておりますが、実際のところ、ロンドン五輪以降で距離が大きく縮まったかと言われれば、そうなってはいないと思います。しかし個人個人の戦いで、１ゲーム先に取ったり２ゲーム取ったり、わずかながら近づいていると。これを続けていって、リオ五輪あるいは次の東京五輪で中国を倒せる道筋を見つけていきたい、探っていきたいと思っております。

男子・倉嶋監督　前回のロンドン五輪と比べてその差はそこまで縮まっていないかもしれません。しかしながら単発でいえば、ワールドツアーなどの国際大会で中国選手に勝つこともよくあります。なので、だんだんロンドン五輪からリオ五輪にかけて距離は縮まっているのではないかと思います。もちろんこてんぱんにやられる時もありますが、いい勝負をしたり勝ったりする試合もある。そういった試合をしっかり振り返って、どうしたら中国選手に勝てるのか、ということをこの４年間やってきました。

　これまで日本の卓球の強みといえば速い卓球、そして巧みなサーブレシーブ。これで世界チームランキング３位というところまできていると思います。中国に勝つにはそこにプラスしてパワーであったり、フォアハンドの強さであったり、そういった部分を改善する必要があります。また吉村、大島といった今の若い選手も中国選手に向けて成長を遂げていると思います。

　なので、中国に追いつけ追い越せというところまでいってはいないかもしれませんが、時によってはいい勝負ができる試合展開になるのではないかなと思っています。

――福原選手と水谷選手へ、女子・男子の最年長リーダーとして団体戦を勝つために必要なことを教えてください。また伊藤選手、浜本選手と１０代の選手に伝えたいことがあれば教えてください。

水谷　今回の世界卓球で団体戦としては初めて最年長になりました。自分が今まで経験したきたことなどを彼らに伝えていきたいなと思っています。また今回、出場する選手はみんな実力が近いので、相手によっていろいろ使い分けられると思うんですけれども、そのオーダーも非常に重要になってくるんじゃないかなと思います。そのへんは、監督と選手でしっかり話しあっていければいいなと思います。

福原　女子はみんな一人ひとり実力がしっかりとある選手です。試合に出る選手はしっかり集中して勝ち星をあげる、そしてベンチにいる選手は一緒に戦っている気持ちでアドバイスとか（を送る）。前回のアジア選手権（団体戦）でも私は最年長としてそうやってきたので、今回もチーム一丸となってそれぞれの役割をしっかり果たすことができたらいいなと思っています。１０代の選手が２人いますけれども、実際に私が試合をしていてベンチでアドバイスをもらうこともありますし、そういったところはあまり年齢関係ないんじゃないかなと思います。