ヒロイン誕生なるか、富士山女子駅伝 原石たちがつなぐたすきのドラマ[2]

中尾義理
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提供:フジテレビジョン

 7区間43.4キロメートルで争われる2015富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)は21チームが出場して、12月30日10時にスタートする。立命館大が大会3連覇で2015年を締めくくるのか。大東文化大や松山大の挑戦が実るのか。国際大会を経験した各校エースたちの区間賞争いも白熱。日本女子長距離・マラソンの未来を占う駅伝になるかもしれない。

大学陸上界から世界へ――

10月の全日本大学女子駅伝で5連覇を成し遂げた王者・立命館大。 【写真は共同】

 女子大生の健闘が分かる数字がある。来年のリオデジャネイロ五輪女子マラソン代表に決まっている伊藤舞(大塚製薬)が京産大4年だった06年、トラック5000メートルで15分台をマークした女子大生は伊藤を含めて9人だった。それが15年は25人。日本人学生記録の15分17秒53こそ20年間も更新されずにいるが、上位層は厚くなっている。

 15年夏の世界陸上北京に出場した日本女子長距離・マラソン代表を見ると、伊藤のほか、5000メートル9位の鈴木亜由子(日本郵政グループ)が名古屋大、1万メートル13位の西原加純(ヤマダ電機)とマラソン13位の前田彩里(ダイハツ)は佛教大のOGだ。高校卒業後に実業団入りして力をつける選手もいるが、大学でステップアップする選手も少なくない。20年東京五輪で「あの時の大学駅伝で応援した子だ」と話題にできるよう、ヒロイン候補を今からチェックしておこう。

大本命・立命館を支える3人のエース

 まずは富士山2連覇中&全日本大学女子駅伝5連覇中の立命館大のエース大森菜月(3年)。6月の日本選手権女子5000メートルで自己新の15分28秒32で6位入賞し、7月のユニバーシアード同種目では7位に入った。10月の記録会では15分28秒76と自己記録に接近。絶好調で駅伝シーズンに突入し、全日本大学女子駅伝1区6.4キロメートルで区間賞の快走を見せた。1区に登場すれば、前回2秒差で逃した区間賞獲りもモチベーションになる。女子5000メートルのリオ五輪参加標準15分24秒00を視界に捉える大森に注目だ。

 ユニバーシアード女子ハーフマラソン銀メダルの菅野七虹(3年)も立命館大の柱。故障で全日本大学女子駅伝はサポートに回ったが、十倉みゆきヘッドコーチによると、すでに元気に練習をこなしており、調整が順調なら復活の走りを見せてくれそうだ。

 立命館大では太田琴菜(2年)にも勢いがある。今年の全日本大学女子駅伝では最長9.2キロメートルの5区で29分24秒の区間新。区間2位の福内櫻子(大東文化大4年)に39秒差をつけた。前回の富士山でも6区6.8キロメートルで区間新を樹立し、区間2位に1分10秒の大差。区間新連発の太田には、最長4区9.4キロメートルで29分59秒の区間記録に挑戦してほしい。

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著者プロフィール

愛媛県出身。地方紙記者を4年務めた後、フリー記者。中学から大学まで競技した陸上競技をはじめスポーツ、アウトドア、旅紀行をテーマに取材・執筆する。

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