ムーアも賞賛! ディープ産駒ハートレー 彗星の如く現れた逸材に★7つの高評価
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
彗星の如く現れた逸材 ハートレー
ディープインパクト産駒のハートレーがムーアを背にデビュー勝ち 【撮影:日刊ゲンダイ】
ハートレー 牡 馬体重:484kg
★★★★★★★ 7点〔GIIIクラス〕
騎手:R.ムーア 厩舎:(美) 手塚
生産: ノーザンファーム
父:ディープインパクト
母:ウィキッドリーパーフェクト(Congrats)
出遅れて行き脚も中々つかなかったが、道中は超スローで難なく中団のインに収まる。直線では開いたインを突いてアッサリと抜け出して来た。2着馬とは内外、回ってきた所の差が出た印象もあるが、ギアが上がってからのフットワークは実にパワフル。騎乗したムーア騎手も「大事に育てていけば重賞を勝てる馬」と賞賛した。ただし、スタートやペースの速いレースへの対応など、課題もある。ちなみに、馬名の由来は「探査機ディープインパクトが観測した太陽系の彗星名より」という、お洒落でロマン溢れるネーミングである。
馬体診断
入厩前に見た写真よりも腹回りに余裕があり、もう少し絞れてもいい位。ただ、馬体のボリュームは素晴らしく、踏み込みの力強さも十分。上滑りするような馬場は決して得意とは言えないが、レース当日のような重たい馬場や荒れ気味の馬場も問題なくこなせるのは、このパワフルな馬体の賜物。前後に幅があり、距離はもっと伸びても大丈夫。
血統診断
母はアメリカで走り4戦3勝2着1回。走ったのは2歳時のみだが、1700mのGIと1300mのGIII勝ちがある。母の父CongratsはA.P.Indy(BCクラシック)の直仔で、現役時はダートの中距離を主戦場にGII勝ちとGI2着がある。父キングカメハメハの半兄は惜しくも勝ち上がれなかったが、父がディープインパクトになったことで、ややパワー寄りながらも素軽さを獲得した。
馬券の狙い目→2000m〜2400mが守備範囲。開催後半でも末脚のパフォーマンスは落ちない。
ダートで一変、タイレコード勝ち セータコローナ
セータコローナ 牝 馬体重:488kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:C.ルメール 厩舎:(栗) 池江寿
生産:社台ファーム
父:Distorted Humor
母:シーエスシルク(Medaglia d'Oro)
初戦は芝で切れ負け。ダート替わりの今回は二の脚でハナを主張し、スタート後と向正面の両方で競りかけられる場面もあったが、怯むことなくペースを維持。直線での反応も良く、完全に独走状態で2着に1秒近く差をつける圧勝だった。ラスト2Fで12秒9−12秒7と再び加速しており、牝馬とは思えない奥の深さもある。勝ち時計は2歳コースレコードタイという優秀なもので、パワーもあり、乾いた馬場もOK。
馬体診断
初戦時からプラス6キロ。腹回りなど、多少太く映るが初戦時に比べると実が入った印象はある。トモの縦横の幅があり、馬力に優れているので、ダート替わりで結果を出せたのだろう。パドックでの周回やレースぶりから気性面で難しいところはなさそうなので、今後揉まれる展開になっても、それほど心配はいらないかも。
血統診断
母はアメリカの芝マイルGIジャストアゲームSを勝利。一族に重賞ウイナーも数多く、見どころのある血統。母の父Medaglia d'Oroは米GI3勝の強豪で、種牡馬としてもアメリカの牝馬チャンピオン、レイチェルアレクサンドラを出し、日本に輸入されたエーシンメンフィスは稍重の愛知杯を勝っている。父Distorted HumorはGI勝ちこそないが、23戦して掲示板を外したのが2回だけという堅実派。フォーティナイナーの直仔にあたり、日本の競馬との相性も良いはず。血統背景的には芝でもやれそうだが、一雨欲しいタイプか。
馬券の狙い目→地方の深いダートもこなせそう。芝なら重たい時計のかかる馬場で。