テニス上達への最短プロセス “草トー”に出ればグングン上手くなる

東邦出版

「バックハンドは苦手」をカモにする戦術を打ち破れ!

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 そうはいっても、いざ試合に出るとなると、自分のテニスができるかどうか不安になりますよね。そこで、ひとつでも多く対策は立てておき、不安によるミスが出ないようにしておきましょう。
 草トーは、多くの場合が“初対戦”になります。そのような場で、多くのプレーヤーが取り入れる戦術が「バックハンド狙い」です。アマチュアプレーヤーにとって、バックハンドは苦手なショットだからです。ここでは、その戦術への対策法と練習メニューを紹介します。

 まず大前提となるのは、バックハンドばかりを狙われても、無理をせずに、自分にできることを確実にやること。普段の練習以上のショットを打とうとしても、成功する確率は低いからです。

 また、テニスは「相手より1球多く打ち返すこと」が勝つための鉄則です。バックハンドでは無理をしないものの、代わりにフォアハンド側に回り込めるチャンスを待つのです。相手からのボールが浅かったり、スピードが遅かったりしたときを見逃さない。回り込んでのフォアハンドを打ち始めれば、相手はより厳しいコースを狙わざるをえなくなり、ミスも増えます。そのためにも、回り込んでのフォアハンドの練習をしておきましょう。その名も『バックハンド禁止シングルス』です。

 やり方は簡単。シングルスのゲームを、次の2つの約束事を設けて行ってください。

・サービスとスマッシュ以外はフォアハンドストロークしか使ってはいけない
・フォアボレーもありにして、よりスピーディな展開にする

 なぜこのような練習をするかというと、バックハンドに苦手意識を持っていると、どうしてもバックサイドばかりを守るポジショニングをしがちです。すると、図のようにフォアハンド側がガラ空きになり、エースを決められてしまう。これが対戦相手の最大の狙いなのです。
 相手の術中にはまらないためにも、バックハンドを強制的に使えなくした練習をしておくのです。フォアハンドを練習しつつ、フットワークも強化することができます。ひとつのショットを制限することで、それ以外のショットで戦う工夫をするようになる。これこそが「上達」なのです。

時間を利用して“バックハンド狙い”を撃破!

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 もうひとつ、バックハンドを積極的に狙ってくる相手への対策法があります。特に、バックハンド側の深めにロブを打ってくるパターンが多くありますが、これはバックハンドの高い打点で打つボールがとても打ちにくいものだからです。スピンがかかって弾んでくるボールは、なおさらです。

 ただし、この戦術の弱点は「時間に余裕が生まれる」ことです。ロブは高いボールで、それがコートの深い位置まで飛んでくるのですから、当然、こちらに到達するまでに時間があります。その時間を有効利用して、ここでも回り込んでフォアハンドで打てる体勢を整えましょう。

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 高く飛んできたボールは、地面に落ちればよく弾みます。となれば、フォアハンドのスマッシュが可能になる。ただし、スマッシュは打点が前すぎるとネットする危険性があります。面が下を向かないように、打点を頭の真上ぐらい後ろにして、しっかりと振り切ってください。ポイントは、バウンドしたボールをサービス時のトスに見立てて、リズム重視で打つこと。そうすればサービスに近いイメージになり、落ちてくるボールにもしっかりとラケットを合わせられます。

 打つコースは、センターベルトの上。テニスのネットは、中央部分が最も低くなっています。そこを狙えばミスする確率が下がるため、思い切って強打できるわけです。
 このように、日々努力して身につけた技術を、試合で最も有効に使う方法を考える時間を設けてください。どんなに優れた技術を持っていても、それを活かせなければ試合には勝てません。

 試合に勝ったときの喜びは何にも勝ります。それを味わえば、より一層、テニスへの情熱が高まるでしょう。「でも、強い人と当たってボロ負けしたら……」と不安になっているあなた、安心してください。草トーはレベルによって大会が分けられていて、自分のレベルに合った大会を選んで出場できます。この方式であれば、どのレベルのプレーヤーも楽しめるからです。

 勇気を出して、ぜひ草トーにチャレンジしてみましょう! そうすれば、あなたのテニスはぐんぐん上達するはずです。

指導者プロフィール:橋爪宏幸(はしづめ・ひろゆき)

1959年生まれ、東京都出身。麻布学園―東京薬科大学卒。インターハイ出場後、薬剤師免許と文部科学省テニス指導員資格を取得。現在、横浜で薬局を経営。中学1年時に部活でテニスと出会う。コーチに教わったことやスクール経験はなし。多くの回り道をしながら独学で培ったテニス理論は、読者や生徒から定評がある。2015年・熊谷杯、14年・田園オープン、鎌倉トーナメントなど、草トーナメント200勝以上を達成した草の根プレーヤー、戦うクスリ屋さん。テニス専門誌『スマッシュ』や『テニスクラシック』で連載をもつほか、WEBサイト『テニスストリームTV』では動画レッスンの配信や週刊コラム『勝利のレシピ』を執筆。過去に出版した書籍は17冊に及ぶ。

テニス 泥臭くても勝つ攻め方 [PR]

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ショットなどの技術練習は時間をかけて行っている。しかし、必死になって上達させた技術を、試合で最も有効に使う方法について考える時間はあまりつくらない。それでは、どんなに優れた技術をもっていても試合では勝てない。

本書は、草トー王自身が心がけてきたこと、いまでも試合で行っている戦術・戦略、これまでに対戦した強敵から学んだことなどをまとめ、「いまの技術で“もうひとつ”勝つ着眼点と考え方」を中心に構成。ショットの打ち方や、フットワークなどの身体の動きだけでなく、「時間」や「空間」、「周りの環境」や「相手の心理状態」など、勝つために使えるものはすべて使って、泥臭くてもとにかく勝つ方法を紹介する。

「もう1試合勝ちたい!」「次は必ず決勝へ!」と試合に燃えるプレーヤーのやる気を促進させ、「試合に勝てないからやめちゃおうかな……」「いつも2回戦止まりで情けない」と悲嘆に暮れるプレーヤーの心にもう一度火をつける一冊。

【著者】
橋爪宏幸

2/2ページ

著者プロフィール

サッカーや野球、ゴルフ、テニス、ラグビーなどのスポーツ本、競馬や宝くじのギャンブル本を中心に、文芸、脳トレ、音楽、芸能……幅広いジャンルの単行本を出版。最近の売れ筋商品に『エディー・ジョーンズの日本ラグビー改造戦記』や『高校球児に伝えたい!プロでも間違うバッテリーの基本』など。

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