レース本番で100%の力を発揮する方法

青山剛

スタンダード調整法のポイント

【青山剛】

【青山剛】

<リコンディショニング期> 大会3週間前〜2週間前
・練習量をまず落とし、疲労を抜いていきます。週末に向けて「走る上で体調の良い」状態を作る。ここまでトレーニング順調な方は、週末に10キロタイムトライアル、もしくは10キロ前後の大会に出て最後の全力刺激を入れ、現実力、状況を把握する。順調ではなかった方は、LSD120分で最後のスタミナ刺激を行う。
・とにかく、ストレッチ、体幹スイッチエクササイズはしっかり行う。

<調整期(1)> 大会2週間前〜1週間前
・30〜60分くらいのジョギングを2〜3回入れ「整えていく」イメージで走る。週末には、15キロ前後、大会で走るペースで走り、最後のペースチェックをする。
・とにかく、ストレッチ、体幹スイッチエクササイズはしっかり行う。

<調整期(2)> 大会1週間前〜大会当日
・週中(水曜か木曜)に、10キロくらい走り、最終体調チェック。マラソン4時間以内に目標がある方は、全力の80%くらいまで上げるビルドアップ走にして、心肺機能に最終刺激を入れておく。
・レース前々日の金曜は完全休養。レース前日の土曜日は30分くらいジョギング。順調な方は、30分ジョギングの後、止まらず5分ほど軽くビルドアップで刺激を入れ、5分ダウンをする。
・とにかく、ストレッチ、体幹スイッチエクササイズはしっかり行う。

<大会当日>
・スタート前に(自宅やホテルでもいいので)ストレッチ、体幹スイッチエクササイズを必ず行う。完走目的の方は、アップはこれと大会会場までの移動ウォークで十分。ちょっとアップをしておきたい方は、10分前後だけジョギングする。

 トレーニングが順調だった方は、調整期(1)以降に入ったら、トレーニング以外ではなるべく疲労しないような行動を心がけます。
 一方、トレーニングが順調でなかった方は、この期間に入っても通勤などの移動で、エレベーター、エスカレーターの使用を極力避け、「歩きまくって」ください。この期間で焦って急に走りすぎるのは大変危険です。しかし、歩きでしたらケガや故障のリスクも低く「マラソンの走る上での最低限の筋力」をギリギリまで養うことができます。せっかく忙しい毎日の貴重な時間を使ってトレーニングをしてきたわけですから、そのやった分、成果が出るようにしっかり調整していきましょう。

 もし、疲れが抜けなかったり、調整法に迷ったら、「ストレッチ、体幹スイッチエクササイズ、ウォーキング」さえやっておけば、ある程度大丈夫ですから、ご安心を!

※本連載を元にした、マラソントレーニングがすべてわかる書籍が完成しました。最新刊「マラソンで自己ベストを出したいなら、全力で走るな!(洋泉社)」は11月4日発売予定

2/2ページ

著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント