手羽先と冬瓜とモロヘイヤのスープ 体が喜ぶ22時スープ(6)

村山彩

【村山彩】

【作り方】
1)冬瓜の皮を剥き、お好きな大きさに切る
2)モロヘイヤはサッと茹で、茎をとり、葉をみじん切りにする
3)鍋に水と調味料すべてを加え、手羽先と1)を加え、冬瓜が柔らかくなるまで中火で煮込む
4)鍋に2)を加え、全体に広がるように一回しする
5)器によそい、黒すりゴマをかけて完成。半分に切ったすだちを添えて

高栄養価のモロヘイヤ

 夏野菜といえばきゅうりやトマトなどが思い浮かびますが、冬瓜やモロヘイヤは、スーパーなどでよく見かけるものの、なかなか手を出さない野菜の筆頭かもしれませんね。でも実は 手軽に使えますので、今回のスープに加えてみました。

 冬瓜はほぼ水分ですが、ナトリウムの排出を助けるカリウムとビタミンCが豊富です。食べごたえはありますが、低カロリーですので夜のスープに適しています ね。むくみ防止にもなります。

 今回のスープは糖質源がなく低カロリーのため、いわずとしれた高栄養価のモロヘイヤを使用しました。モロヘイヤは「王様の食べる野菜」を意味するアラビア語が語源とも言われてい るそう。その名の通り、カロチン、ビタミンB郡、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、カリウム、鉄、など、ありとあらゆるビタミン、ミネラル類が摂取でき、抗酸化作用もあります。

 モロヘイヤや冬瓜のビタミ ンCや、すだちにふくまれるクエン酸はモロヘイヤにも多く含まれている鉄の吸収を促進させます。夏は青菜類が少ない季節ですし、栄養価が高く調理しやすいモロヘイヤは積極的に利用したいですね。

手羽先をスープから取り入れてみよう

 今回はたんぱく質源として、コラーゲンを多く含む手羽先を使いました。コラーゲンという言葉は皆さんよく耳にすると思いますが、たんぱく質の一種です。人間の体内にあるたんぱく質の約30%がコラーゲンで、皮膚や人体、骨や軟骨などを構成し、細胞同士を接合したり、弾力や強度を与えるといった重要な役割を担っています。

 ちなみにコラーゲンを摂取しても、そのまま体内でコラーゲンとして吸収されるわけではありません。体の中に入ったコラーゲンは、たんぱく質の一番小さい単位であるアミノ酸に分解され、その後、体の各臓器で使われます。コラーゲンばかり意識してしまうと、アミノ酸のバランスが偏ってしまいますので、必要なアミノ酸のバランスが偏らないようにすることが大切です。日々の食事でいろいろな種類のたんぱく質を摂取することで、体に必要なアミノ酸のバランスを整えることができます。

 またお肉といえば、とりもも肉や豚肉の細切れなど、数種類しか使わないという方もいるのではないでしょうか。今回のスープは煮込むだけで、焼いた場合より簡単に調理できますので、お肉料理のレパートリーを増やす、いいきっかけにもなると思います。

 手羽先と冬瓜は煮込む前に炒めても旨味が出ておいしいですが、煮込むだけでも十分だと思います。最後に、黒すりゴマをかけてすだちをキュッとしぼって完成。クエン酸は疲労回復に効果がありますし、酸味で味がしまります。すだちの代わりにお酢をひとかけしてもいいですね。

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著者プロフィール

食欲コンサルタント、日本初のアスリートフードマイスター、野菜ソムリエ。2012年7月、館山トライアスロン総合優勝。2014年 ironman 70.3 台湾エイジ優勝 。現役トライアスリートとしての知識と経験を生かし、プロアスリートやアマチュアランナーへ食事指導と運動指導を行っている。そのほか、テレビ、雑誌、ラジオ、イベントを通じてランニングと食事についての幅広い活動を行う。13年12月に『あなたは半年前に食べたものでできている』、15年2月に『あなたは半年前に食べたものでできている 実践編』(ともにサンマーク出版)を上梓

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