高山病、低体温症…登山には知識が重要! フジヤマNAVIの登山ガイド2015(6)

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高山病の知識

 標高2500mを越えると、だれもが高山病を発症する可能性があります。高山病の知識をもって、高所登山にのぞみましょう!

■高山病とは
 血液中の酸素濃度が低下することによって引き起こされる病気で、頭痛や吐き気などが顕著な症状です。高山病には個人差があり、標高何メートルで症状が出るかは人それぞれ。また同じ人でも体調によって発症するときとしないときがあります。高山病の症状は高度を下げれば治まってきますので、少し休んでも治らなければ下山するしかありません。

■高山病の予防
 高山病にならないためには、予防が大切です。ポイントは次の3つ。

(1)高度順応
登山口に着いたら、30分から1時間くらい過ごしてから出発しましょう。先を急ぎたい気持ちを抑えて、軽く準備運動をするのがおすすめです。

(2)前日の睡眠はたっぷりと
高山病は体調が悪い時、睡眠不足の時に発症しやすいです。体調を整えておくのも登山のうち。前日は早めに準備を整えて睡眠をとりましょう。

(3)水をいっぱい飲む
水分が足りなくなってくると、血液がドロドロの状態になってきます。これでは血液の流れが悪くなります。高所では意識的に水分をとることが非常に重要です。

※万が一、発症してしまったら…
頭痛や吐き気の症状が出てきたら、軽度の高山病です。あまり辛いようならば、少しでも標高の低い山小屋などに戻りましょう。稀に山小屋で安静にしていると症状が緩和されるケースもあります。(症状やケースは人それぞれです。)吉田ルートには七合目と八合目に、富士宮ルートには八合目に救護所があります。相談のうえ下山するなどしてください。

低体温症に注意

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■低体温症とは
 体温が低下することで起こる症状です。真夏の富士登山でも発症する可能性は十分あります。
○体温が低下すると危険!
 人間は体温を維持できなくなると、震えや疲労、意識障害といった症状が発症し、最悪の場合は命を落とします。雪山での疲労凍死は、重度の低体温症を発症した結果です。「雪山で凍死」なんて自分とは無関係!と思いがちですが、低体温症はなにも雪山だけの話とは限りません。震えが止まらないなどの軽度の低体温症は、だれもが経験していることでしょう。

○真夏でも低体温症になる
 体温を奪う原因は低温だけではありません。風や体が濡れることも大きな要因になっています。真夏でも標高の高い場所へ行けば、低温・風・体が濡れることは容易に条件が揃います。その最たる場所が富士山です。山頂近くで長時間、風雨にあたっていると体温を奪われ低体温症を発症する可能性があります。「低温・風・体が濡れる」この3つの条件が揃ったときは、長時間行動を中止しましょう。

○なるべく衣類を濡らさない
 低体温症を予防するには衣類や体を濡らさない工夫が大切です。低温や強風といった自然環境は変えられないものですが、衣類の工夫は自分自身でやらなければなりません。肌着は速乾性素材のものにして、「早く乾く」ものに。寒いと感じたら、1枚衣類を重ねましょう。雨が降ってきたらレインウェアを着て体を濡らさないようにします。山小屋で仮眠する場合は、乾いた衣類に着替えて保温を心がけます。

○食べることも重要
 実は「食べる」ということも非常に重要です。体内の熱源を維持できるからです。軽度の低体温症になると食欲がなくなります。万が一、このような状況になってしまったら温かい飲み物やゼリー系の非常食など喉を通りやすいものを摂取しましょう。エネルギーを体内から発生させることが必要です。でも食欲がなくなる前に、こまめに食べることを意識的に行うことが大切です。

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著者プロフィール

“富士山エリアを完全ガイド”がコンセプトの富士山情報サイト(運営:富士急行株式会社)。富士登山や富士山を眺めるハイキングといったアクティブ派向けのコンテンツをはじめ、「地域」や「季節」に合わせた富士山をさまざまな視点から楽しめる特集記事を掲載。また、地元旅行会社と連携した富士登山バスツアーも紹介しています。

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