トヨタがビーチバレー部を新設した狙い 期待される業界全体への相乗効果

世界一に向けての第一歩

ビーチバレー部のGMには、日本ビーチバレーボール連盟会長を務める川合俊一が就任した 【写真:アフロスポーツ】

 ビーチバレーボール部のホームコートは、日本全国にあるトヨタの工場の一つの敷地内に作る予定だ。ただし、現時点ではその場所は決まっていないという。

「コートを何面作るのか、ナイター設備は必要なのか、海外の施設を視察してどんな施設がベストなのかを検討しているところです。16シーズン前までには完成させたい。施設ができたら、ジュニアの育成を視野に入れてどんどん選手を合宿に呼んで、一つの拠点になるよう強化を図っていきたいと考えています」(川合)

 ジュニア強化の基盤を作る。日本のビーチバレーボール界が本腰を入れて着手できなかったことに取り組むとともに、川合が狙うのはビーチバレーボール界全体の相乗効果である。

「『世界のトヨタ』がビーチバレーボール部を作ったことで、他の企業さんの見る目が変わることを期待しています。チームスポーツだけれども、実は海外を転戦しても強化費はそんなにかからない。今までそんなところに目も止まらなかったけれど、意外に小規模でできるんだと思ってもらえるのではないでしょうか。いろんな企業さんに参入していただいて、国内大会自体が盛り上がっていくことが本望です。その第一歩となるようにやっていきたい」

トヨタ所属選手としての初戦は白星発進

西堀(左)、溝江組は横浜大会で決勝トーナメント進出を決めた 【写真は共同】

 7月20日から26日に神奈川県横浜市のみなとみらい21地区臨港パーク内特設会場で、「FIVBビーチバレーボールワールドツアー資生堂グランドスラム2015横浜大会」が開催されている。

 本選から出場した西堀・溝江組は、「トヨタ自動車」所属として挑んだ国際大会の初戦で白星発進。ペア結成3年目となり、息の合った頭脳プレーで世界の高さやスピードをねじ伏せ、決勝トーナメント進出を決めた。

 これまでにない日本のビーチバレーボールの新しい歴史を築き上げていくスタートラインに立った溝江は、「今回のビーチバレーボール部発足という注目の材料をプラスに働かせるかは自分たち次第。今までにないレベルでビーチバレーボールができるように日々努力して『世界一』を目指してやっていきたい」という大きな夢を掲げた。

<文中敬称略>

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著者プロフィール

ビーチバレースタイル/2009年4月創刊。国内トップ選手の情報、大会レポート、技術指導、トレーニング論など、ビーチバレーを「見る」「やる」両方の視点から、役立つ情報が満載。雑誌のほかに、ビーチバレースタイルオンラインとして、WEBサイトでも大会速報、大会レポートなど、ビーチバレーに関する報道を行っている。

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