噂のローション大運動会に参戦 ヌルヌルでとことん馬鹿になれ!

芸部歩人

赤・白・青・黄の4チーム、約150名が参加

受身の練習で安全対策も万全、しかしこの時点でみんなヌルヌルだ 【スポーツナビDo】

 開始時間になったところで、まずは全員がフィールドに降り立ち開会式からスタート。準備運動を兼ねたラジオ体操が行われますが、さっそくみんな狙ったようにズッコケていきます。バカです。しかし、早々に全身ローションまみれになることでタガが外れて楽しくなってきます。

 ケガ防止のため受け身の実演&練習もあり、さらに全員ヘルメットも着用なので、このあたりフザけてこそいるものの、しっかり安全対策がなされています。

【スポーツナビDo】

 さて「ローション」ばかりに目が行きがちな本イベントですが、赤・白・青・黄の4色に分かれて競う「大運動会」であるのがミソ。各チーム40名弱、150名ほどが入り乱れる大運動会は、初対面の人ばかりですから体裁を取り繕いたいところですが、そうはローションがおろしません。頑張れば頑張るほどズッコケ、力めば力むほどつるりと滑り、カッコ悪い様をさらすのを余儀なくされます。

 でも、誰もそんなこと構っちゃいないというか、むしろ派手にズッコケた方が「ローション大運動会」ではおいしいのです。滑って転んでナンボの世界。さらに色分けされる運動会効果で、知らない同士であっても早い段階からチーム内で仲間意識や一体感が芽生え、自然と自チームの奮闘に声を飛ばしてしまいます。ヌルヌルが結ぶ縁。

頑張るほどツルツルと滑ってローションまみれに 【スポーツナビDo】

ローション大相撲、大玉転がし、ビーチフラッグ

ローション大玉入れはしっちゃかめっちゃかの大混戦! 【スポーツナビDo】

 大会は各色3人ずつが参加してのローション相撲、大玉転がし、だるまさんが転んだと進み、勝てば歓声、負けても健闘&ヌルヌルを称えてチームメイトをハイタッチで迎え入れと、なんか悪フザけしか期待していなかったのに「ローション大運動会」なかなかいいものです。各競技、全員が参加できるよう工夫して進められるほか、休憩時間にもエアロビが実施されるなど、能力により楽しさにバラつきが出ないよう配慮がなされています。そう、「ローション大運動会」は「世界一バリアフリーな運動会」を目指しているのです。

 そんな中、この日行われた競技で最も楽しく“運動会感”溢れていたのが、バブルサッカーで使われる巨大バルーンを使用したローション大玉入れ。これは20名ずつに分かれた2チームが、用意された3つのバルーンのうち2つを先に相手陣営へ入れた方が勝ちというものですが、いざ始まるやしっちゃかめっちゃか、その混戦ぶりたるや泥レス状態です。押したり引いたり、急いで向かってコケたり、グラウンドであれば泥まみれになるところを、そこは「ローション大運動会」ですからローションまみれです。

ローションビーチフラッグ 【スポーツナビDo】

 運動会も後半になると、みんなローションですっかり手がふやけていて、ハイタッチを交わしてもお互いに手がしわしわ状態。でも、そんなところにもまた仲間意識を感じたりするから不思議なものです。

 この日は他にもビーチフラッグ、最後にリレーと行われ、大会は幕。終了後も会場はしばらく開放され、会場の端から端までヌルヌルを利用して滑走したり、ぬるぬる大相撲夏場所を独自に開催する人たちの姿が見られました。

最後はリレーで大盛り上がり 【スポーツナビDo】

ちなみに筆者がいた青チームが見事に優勝を飾った 【スポーツナビDo】

日本発の2大文化を体感!

大会が終わるころには大きな一体感が生まれていた、これもヌルヌルが結ぶ縁 【スポーツナビDo】

 まさに「童心に返って」楽しむことができる本イベントですが、よく考えたらこれだけのバカ騒ぎは子どもの頃でもそうはなかったかしれません。

「馬鹿になれ とことん馬鹿になれ 恥をかけ とことん恥をかけ かいてかいて恥かいて 裸になったら見えてくる 本当の自分が見えてくる」

 というのは猪木詩集の一節ですが、一緒にバカをやり、カッコ悪いところを見せ合った若い頃の仲間というのは、その後も長く縁が続いたりするもの。体裁やカッコつけを取っ払うローションは、そんなふうに人と人とを結びつける力があるのかもしれません。そして、見ず知らず同士でもすぐさま一体感を持たせる「運動会」の力にもあらためて感心したり。

 そんな日本発の2大文化であるローションと運動会のよさを体感できる本イベント、「迷わずゆけよ、ゆけば分かるさ」とばかり、“百聞はひと滑りにしかず”で、まずは実体験してみることをオススメします。

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著者プロフィール

げいぶ・あると。体験系取材を中心に活動し、「2代目スポーツ冒険家」を自称する40代目前ライター。名前は映画『クリフハンガー』の主人公ゲイブ・ウォーカーから

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