女優からランジェリーデザイナーへ 美しい下着ブランドがデビュー

猿渡由紀

一流の生地を使った美しいデザイン

【(C)Wylie Wilson】

 つけ心地の良さが抜群な一方で、見た目もとても美しい。そもそも、ウィルソンがランジェリー作りを始めたのは、祖母と長年のマネージャーを亡くした悲しみから立ち直るためだったのだ。

「こんな気分から抜け出すには、恋をするのが一番」と思い、「その準備はまず下着から」と思ったが、大量に所有するどのランジェリーも、その時の彼女の心を盛り上げてはくれなかった。そこへ、ふと、部屋にあった美しいレースが目に入り、「あれを下着にしたらどうだろう」と思いついたのだという。

 翌日、ウィルソンは生地専門ショップで、イタリア製やフランス製の最高に美しい生地を買い付けた。自分が作る下着に、彼女は「キューブリック」「ローレン」「フェデリコ」など、自分が尊敬する人たちの名前をつけている。

「言ってみれば、下着をキャラクターにしたのよ。女性はみんな、いろいろな側面を持っている。『今日の私はソフィア・ローレン、明日はシェール』みたいに、気分によって選んでもらえれば」

 実際、彼女は、とても落ち込んでいる友人に、7つのパンティをプレゼントしたことがある。「1週間、毎日、まったく違う気分になれるようにね」。それが大成功だったことは、言うまでもない。

最大の目的は、女性に自信をもってもらうこと

【(C)Wylie Wilson】

 ワイリー・ウィルソンのショップは、一般的なランジェリーショップのイメージとは相当に異なる。まるで一軒家のようなそのスペースには、ベッドやカウチが用意されており(それらもすべて購入可能)、ランジェリーのディスプレーは、その片隅の部屋にある。
 コンサルタントがおおまかなサイズを診断すると、奥の部屋から、それぞれに違った、カラフルで美しいブラがごっそりと入った引き出しを持ってきてくれるのだ。そんなひとりひとりとの対面の体験が、ウィルソンに、最高の満足を与えてくれる。

「『Aカップだから絶対にワイヤーとパッドがなきゃだめ』と言い張っていた女性も、ワイリーのブラをつけてみると、びっくりするのよ。そのリアクションを見るのが楽しい。そして、彼女たちが自分に自信をもってくれる姿を見るのも。いい男は、本当は胸の大きさなんて気にしないの。大事なのは、あなたが自分の胸をどう思うか。あなたに自信があれば、それはあなたをより美しくする。あなたがつけている下着の生地が美しければ、さらにプラスよ」

ワイリー・ウィルソン(Wylie Wilson)

1301 Abbot Kinney Blvd. Venice CA
※ウェブサイト上での購入も可能。日本にも送ってもらえる。

ペータ・ウィルソン(Peta Wilson)

【(C)Wylie Wilson】

1970年シドニー生まれ。モデルを経て女優に転身。TV版『ニキータ』(1997〜2001)で主役ニキータを演じる。出演した映画に『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)ほか。一児の母。L.A.在住。

2/2ページ

著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント