「寺ヨガ」で極上時間を体験 ココロとカラダが穏やかに癒される

池田園子

【池田園子】

 さて、この日は3月21日(土)、春分の日ということもあり、参加者は筆者を含めて8人。基本的に毎週土曜日に開催され、普段は各回平均20人ほどが参加しているそう。年代は20〜80代男女と幅広いのも、一般のスタジオとは一味違う印象です。

 基本的にヨガは女性の生徒が中心で、男性だと通えないスタジオもあります。でも、寺ヨガであれば、男女関係なく通えるのがうれしいですね。

「一息吸って〜、体の広がりを感じ〜」。Mari先生のレクチャーを元に、まずはポーズに入る前の準備をゆっくり行います。体側(体の側面)がじわじわと伸び、全身がポカポカしてくるのを感じます。冷え性で氷のように冷たくなりがちな手も、温かくなりました。

【池田園子】

 10分ほど準備をした後、いよいよポーズに入っていきます。足の裏やふくらはぎの裏が、気持ちよく伸びています。背骨が1本1本まっすぐ伸びていく感覚もあります。
 片足ずつ、足の付け根を伸ばしていきます。同時に腰から腕が伸びるような意識で、両腕を高く上げて、目線も上向きにキープ。体が縦横に伸びていく、閉じていたものが開いていく、そんな快感がありました。

「マイペース」がヨガのキーワード 無理は禁物

【池田園子】

 どんなポーズを説明するときにも、Mari先生は「マイペースに」と付け加えます。ある先生が「ヨガはほかの人と比べるものではありません。自分の内面を見つめながら取り組むもの」といった話をしていたのを、改めて思い出しました。人それぞれ体の状態や可動域などは異なるもの。だからこそマイペースに、自分のリズムを大事に、体の声を聞きながらすべきなのです。

【池田園子】

 体を安定させるのが難しいポーズ。体幹をうまく使えずグラグラする瞬間もありました。太ももの裏が気持ちよく伸びていきます。

【池田園子】

 ボートのポーズ。背筋と腹筋が鍛えられます。背中が丸くならない範囲で、足をピンと伸ばすのがポイント。
 最後はシャバーサナ。「屍のポーズ」と呼ばれるもので、仰向けに横たわって全身の力を抜いて、四肢を伸ばします。体を弛緩させ、ゆるめるのがポイント。ただでさえ眠気を誘うポーズですが、お寺ならではの静寂感のためか、睡魔に襲われそうになりました。ここまで1時間、あっという間におしまいです。

「地域に根ざした存在でありたくて」寺ヨガを開講

【寺子屋ブッダ】

 最後に2011年に寺ヨガの開講を決めた、常圓寺ご住職の古河良晧さんに話を伺いました。

「なかなか知られていませんが、実はお寺にはいろいろな機能があります。檀家を相手に仕事をしているだけではないのです。常圓寺では落語会や朗読会、子ども会、花まつりなど、さまざまな催し物を行っています」

 ご住職の願いは「地域の人たちにもお寺に立ち寄ってほしい」「お寺をもっと身近に感じてほしい」というもの。もともと自身がヨガに興味を持ち、奥さまも「ヨガをやってみたい」と話していたことから、寺子屋ブッダとの寺ヨガの取り組みがスタートしたといいます。これまでの約4年間で400人近くが参加し、常に新規の生徒が訪れるのだとか。

 レッスンにもときどき参加し、学んだポーズを自宅で行うこともあるといいます。「歩くくらいしか運動はしていませんが、ヨガのポーズをとると『筋肉を使えているなぁ』と感じて気持ちがいいです」と語るご住職はとてもお元気そう。

 春の青空の下で、ゆったりとした時間の流れを楽しめる寺ヨガ。常圓寺以外の都内のお寺でも開催されているので、一度参加してみてはいかがですか?
※ゆったり寺ヨガ@常圓寺は4月も開催され、11日(土)には屋外(お寺の敷地内)で実施予定。また現在、都内7カ寺+小田原1カ寺でも行われており、詳細はまちのお寺の学校ナビ(http://www.machitera.net/)で確認できます。

取材協力:寺子屋ブッダ(http://www.tera-buddha.net/)

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著者プロフィール

ライター/編集者。1986年生まれ。R25、ITmedia、マイナビなどのWebメディア、企業のオウンドメディアを中心に執筆。得意ジャンルはIT、アプリ、恋愛、人物取材など。妊婦向け雑誌『妊すぐ』ではタレントインタビューを担当。著書に『フリーランスで食っていきたい!』がある。2013年11月から週3で通うヨガレッスンが至福の時間

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