和のたしなみを学ぶ・抜刀術 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

和の「心」の世界に触れてみたい

 日本には、さまざまな「道」がある。「武道」には柔道、剣道、空手道、弓道などがあり、茶道や華道、書道などは芸を極める「道」だ。それらは、1つのことを長く続けることに価値があり、勝敗を争うスポーツのように成果を比べるのではなく、自分自身の技を磨いていく。そして、長年の修行の先には師や達人と呼ばれる境地がある。1つのことを極めるという考え方は、伝統工芸など匠の技を持つ職人が支えてきた日本の文化的背景にも通じるところがあるだろう。

 そう考えると、「◯◯道」は、気軽な感覚で始められるものではなさそう……とも思う。とはいえ、最近は体験教室などもいろいろなところでやっているし、何事も体験して、その魅力に触れてみたい。

 以前から興味があったけれど、きっかけを見つけられずにいたのが、「和のたしなみ」を学ぶ「道」。茶道、書道、居合道、華道などだ。その所作やを学ぶことで、日本人が大切にしてきた「心」の世界に触れてみたいと思った。それに、小さい頃から外で「動」き回っていた私にとって、「静」を重んじる空間の中での鍛錬は、発見も多いのではないかと思ったからだ。

初回は抜刀術に挑戦

真剣の重さと存在感はすごかった! 【松原渓】

 そこで今回は、銀座にあるHisui TOKYOという、「和の心」をテーマにさまざまなことを学べる教室で、いくつかの「道」を体験してみようと思う。

 初回は、「抜刀」。抜刀術は居合術とも言われ、日本刀を鞘に納めたところから、抜き、斬り、納めるところまでの一連の動きで構成される。抜刀と聞いてイメージするのは、『ルパン三世』に出てくる居合の達人、石川五ェ門。質素な和服を身にまとう五ェ門は、飛んで来る銃の弾を1つ残らず斬る離れ業を見せる。時におっちょこちょいな一面も見せ、私も好きなキャラクターだ。

 昔、「刀には神が宿る」と言われ、武士の魂でもあったという。古来から伝わる日本刀を通じて、そんな歴史に触れられるのも嬉しい。他にも時代劇が好きだったり、袴姿の美しさなども居合いを始める理由になりそうだ。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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