セブンズ日本代表「奇跡の残留」なるか “崖っぷち”で挑む香港、東京大会
「状況に応じてディフェンスを使い分けたい」
ディフェンスを指導する瀬川HC(左)とランドルコーチ 【斉藤健仁】
相手に外までボールを回させない、そして判断する時間、スペースを与えない前に出るディフェンスで、失点を抑え、あわよくばターンオーバーを増やし得点につなげたい。いずれにせよ、アメリカ大会では、ポルトガル代表に2点差(19対21)、アルゼンチン代表に3点差(12対15)で惜敗していたため、失点を抑えれば、自然と白星が見えてくるはず。「トップ5とは実力差はありますが、それ以外は毎回順位が入れ替わっている」(瀬川HC)
トライ王の山下楽平もデビューへ
トップリーグで新人王とトライ王に輝いた山下楽平もチームに加わった 【斉藤健仁】
瀬川HCの言葉を借りれば、個人でディフェンスに「ひずみを作る」選手が増えたために、相手にとっては脅威となろう。「今までは強いチームにも強く戦おうとやり過ぎていいました。またラインを広く取って攻めていましたが単調になっていた。ボールをスペースに運びながら、小刻みにパスをつないで、その上でキャラクターを生かしたプレーをチームとして構築したい。そうすればチャンスはある」と指揮官は自信を深めている。
追い込まれた日本代表の底力に期待
昨年の東京セブンズではジェイミー・ヘンリーの素晴らしいトライなどで会場を沸かせた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
まず3月27日から始まる香港セブンズでは、日本代表は予選プールで、フランス代表、南アフリカ代表、アルゼンチン代表と同組になった。「フランス代表とアルゼンチン代表は、アタック力はありますがディフェンスはあまり良くない。日本代表がボールをたくさん持つ展開に持ち込みたい。また南アフリカ代表はブレイクダウンで負けないように、身体を当てていきたい」(瀬川HC)と意気込んでいる。
「Anything can happen(どんなことでも起こり得る)」とは以前からセブンズでは言われてきた言葉だ。追い込まれた男子セブンズ日本代表が香港でそれを実現し、奇跡への第一歩を踏み出すことができるか。