食べ過ぎたカラダをリセット! 管理栄養士おすすめ、コンビニ飯の選び方

田中夕子

ポイント2:代謝アップを意識する

■食べ過ぎたら早めに対処を まずは「代謝」を高める

 では実際に太ってしまったら、どう対処すればいいのか。
 食べ過ぎ、飲み過ぎた体を放っておくと、元に戻すにも時間がかかります。太ってしまった体をリセットするのは、早ければ早いほどいい。常に早め、早めの対処が必要です。

 とはいえ、いきなり絶食をするとか、サラダしか食べない、というように偏った食生活は体に負担が掛かるだけでなく、痩せるために必要な栄養素も逃してしまいます。一気に食べる量を減らす、これしか食べない、と極端に考えるのではなく、まずは体の中にたまった不要な毒素を外に排出する。その流れを良くするために、代謝を高めることからスタートです。

■代謝アップには「水分補給」

 代謝を高めるために、まず重要なのが水分補給です。夏場は熱中症の予防という観点からも水分補給の必要性が説かれることは多くありますが、実は冬でも呼吸や皮膚から水分が排出されているうえ、夏よりも冬場のほうが乾燥しているので多くの水分が失われています。不要なものを排出しやすい健康な体をつくるために、どんな季節も水分補給は不可欠。こまめに水分を摂る習慣をつくることが大切です。

食べ過ぎた体。水分を補給して、不要な毒素を排出しましょう 【Getty Images】

ポイント3:コンビニ飯、これを選ぼう!

■ミネラルウォーターは「硬水」を

 代謝を高め、痩せやすい体にするためにオススメなのが、硬水です。水には軟水と硬水があるのですが、硬水には筋肉や心臓を動かすカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。普段の食事、とくに和食では不足しがちだと言われるカルシウムを硬水ならば補給することができる。代謝を高めるためには、ただ水を飲むだけでなく、豊富なミネラルを含む硬水を飲むことをオススメします。
 コンビニエンスストアで売られている水をよく見ると「鉱水」と書かれた水もありますが、これは硬水とは異なりますので、注意して下さい。

■「薬味」も代謝アップに効果的

 水分補給と並行して、代謝を高めるために適していると言われる食品が、ネギやニンニク、ショウガやブロッコリー、ミョウガなど、匂いの強い野菜です。うどんやそばなど、コンビニエンスストアでも売られている麺類には、薬味として添えられていますが、。無意識に捨ててしまう人も多いかもしれませんが、実は代謝を高める大きな味方。捨てるなんてもったいない。代謝を高めるために、薬味こそ有効活用すべき貴重な食材です。

■あと1品!「おかず」を食べよう!

 五大栄養素の中で、代謝を高めるために一番重要なのは肉や魚、卵、豆などのタンパク質です。コンビニエンスストアで食事を済ませる場合、時間がない時はおにぎりだけ、という人も少なくないかもしれませんが、体内の代謝を高めるためには、おにぎりだけで済ませるのではなく、卵焼きやおでんなどタンパク質の惣菜を選ぶこと。そこにおにぎりを1つプラスして、食後のデザートにヨーグルトをつける、といったようにほんのちょっと工夫をするだけでも変化は確実に生じます。

食べないと代謝も上がりません!

 痩せたい、と思うあまり、食べない、とか、とにかく低カロリーのものを摂取する。そんな意識を持っている人も少なくないでしょう。確かに、今まで主食がごはんであった人が、サラダだけの食生活にすれば、一時的に体重は落ちるはずです。
 1週間後までに、絶対に痩せなければならない、といった特殊な状況であればそれも仕方がないかもしれませんが、健康な生活を長く続けるためには、食事も無理は厳禁です。たとえ一時的に体重が落ちても、糖質が不足すれば仕事やスポーツをする際にエネルギーが不足しますし、食べなければ代謝も上がりません。

 太ったから痩せようと極端な食事制限をするのではなく、まずは体内の代謝を高めて、必要ないものがよりスムーズに体外へ排出される準備をして、代謝が上がってきたのを感じたら、少しだけ食事量を減らすなどできることから始めることが大切です。

川端理香プロフィール

管理栄養士。元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ。スポーツ栄養Watsonia代表(http://kawabatarika.com/index.php)。Jリーグチームや選手、プロ野球、ゴルフ、柔道選手などのサポートをし、日本オリンピック委員会強化スタッフとして、全日本男子バレーボールチームなどを担当。トップアスリートからスポーツ愛好家まで、スポーツをする人の競技力アップのためのサポートに務めている。著書に『スポーツ選手の完全食事メニュー』『10代スポーツ選手の栄養と食事』『子供の身長を伸ばす栄養と食事』 など

2/2ページ

著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など、女子アスリートの著書や、前橋育英高校野球部・荒井直樹監督の『当たり前の積み重ねが本物になる』では構成を担当

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント