ゼロから始めるランニング(1) ウェア、シューズ選びの疑問

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高価なシューズって必要?

普通のスニーカーでもこうしてつま先部分が90度くらい曲がれば、とりあえずOKなのです 【スポーツナビDo】

 まず、ランニングを始めようと思ったときに、一番気になるのはシューズ。やっぱりスポーツショップへ行って1足1万円以上もするようなシューズを買った方がいいんでしょうか? 年末年始は何かと物入りで財布の方が……。

「最初は紐で結ぶ普通のスニーカータイプのシューズで十分です。ハイヒールじゃない、革靴じゃない、ブーツじゃなければOKです。ポイントは地面を踏み込んだ時に足の指の付け根が90度くらい曲がること。小さい子どもでもおじいちゃん・おばあちゃんでも、足の指の付け根が90度くらい曲がるように人間の関節はできているんです。ですから、足の指の付け根が90度くらい曲がるシューズでしたら何でも大丈夫です」
 高価なシューズは必要なく、極端に言えば「ウォーキングだったらビーチサンダルでもOK」だそうです。

 それよりもシューズを履いた際の豆知識として大事なことがある、と内田先生。シューズを履いたとき、かかとを地面にトントンとついて、かかととシューズの後ろ部分をしっかり合わせたときにつま先の空間が空いていること、ここがまず大事。そして、靴ヒモは足首に近い手前部分の穴2つをギュッとしめること。そうしないと、曲げる・伸ばす・内側に捻る・外側に捻るの4種類も動く足首を捻挫などでケガしてしまう可能性があるとのことです。

極端な話、ジーンズだっていい

ウェアは腕が180度くらい上に上がれば大丈夫 【スポーツナビDo】

 では次に、ウェアに関してはどうでしょうか? こちらもシューズ同様に近年のランニングブームでどんどん多様で機能的なものが溢れていますが……?

「はい、ウェアもですね、言ってしまえばスーツじゃない、ドレスじゃない、ひどく厚着じゃなければ何でもいいんです。普通のジャージでOKですし、パジャマでもいいんです。ポイントは、上半身に関しては腕が180度ぐらいまで上に上がること。そして下半身に関しては股関節が130度ぐらいまで上に上がるようなものなら何でもいいんです。腕の180度や股関節の130度は、人の関節が生まれながら持っている“動く範囲”なんです。ランニングの腕や股関節の動きは、この“動く範囲”=可動域を超えませんから、極端な話、ジーンズだっていいんですよ」

極端な話、股関節がこうして130度ぐらい上がってしまえばジーンズで走っても問題ないのです 【スポーツナビDo】

 要は腕、肩、股関節の可動域を制限しなければOKだという。ジーンズでも問題ないとは驚くばかりですが、それくらいウェアも、そしてシューズも、最初は特別高価なものでなくても、必要最低限の機能さえあれば十分ということですね。

手袋は軍手でOK! 指が動くものを

この寒い時期は普通の手袋、マフラー、ニット帽などがあれば便利 【スポーツナビDo】

 シューズ、ウェアともにそんなに頑張らなくてもOKということが分かりましたが、そのほか、この時期のランニングで必要なものってありますか?

「寒さ対策として首周りを暖めるものや、手袋はした方がいいかもしれませんね。その手袋にしたって専用のものじゃなくて軍手とかスキー用の手袋で十分。ただし、指が動くものがいいですね。指が動かないと転んだときに指や手首をケガをしてしまいますから。また、首周りに関してはネックウォーマーじゃなくても、首の可動域を制限しなければマフラーでいいですよ」

次回はランニングのさらなる疑問を解決

 ここまでのお話を総合すると、いま家にあるもの、お手頃な価格なものでランニングは十分に始められるということ。そもそもランニングって、お手軽・お気軽に誰でも始められるのが一番の魅力ですからね!

 また、これらは消耗品でもありますし、三日坊主で終わっちゃう可能性だってある。まずはお財布に無理のない範囲でそろえたシューズ、ウェアで気軽にランニングをスタートしてみて、そこから徐々に自分に必要なもの、ほしいものを本格的にそろえていってはいかがでしょう?

 さて、シューズ、ウェアの疑問はひとまず解決。でも、走る前にまだまだ疑問に思っていることありますよね。例えば、ペース? 距離? 時間? 水分補給? 次回はそんな疑問を解決するQ&A集を紹介します。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

内田英利(うちだ・ひでとし)

1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒。在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養修士課程を経る。日本成人病予防協会認定講師。全米エクササイズ&スポーツトレーナーズ協会(NESTA)認定講師。現在は女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、企業での講演活動・運動指導、トレーナー育成などを行う。フィットネス施設の運営などを行う「フィットネス・ゼロ」代表取締役。パーソナル・フィットネススタジオ「コア・フォレスト」運営責任者。貴乃花親方が考案・監修した貴流運動法を「シコアサイズ」として共同開発。
フルマラソン歴13年、マラソン指導歴7年。ベストタイムは2時間45分01秒。

取材協力 コアフォレスト

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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