つらい、でももう一度走りたい! 湘南国際マラソン体験記

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つらい時こそ気持ちを前向きに転換

 歩くも同然なペースで走って15キロ、救いの手とも言うべき景色が目に入ってきました。鵠沼(くげぬま)海岸が近付き、右手に見えてきたのは湘南のシンボル、江ノ島です。

「あそこまで走れば折り返しだ……!」

 たったそれだけで、気持ちがスーッと軽くなります。さらに、前半の十分な給水が功を奏してか、19キロ付近の折り返しを過ぎたころには体も復調。ここまで2時間20分近く走ってきましたが、スローペースで走ってきたおかげで余力もたっぷりあります。

 ということで、気持ちをグッと引き締め直し、再スタートの気持ちで後半戦に突入です。

富士山に抜かれたり抜き返したり…… 【スポーツナビDo】

給水所にはさまざまな補食も用意されている。岩手県大船渡市の名物「かもめの玉子」もラインナップ 【スポーツナビDo】

沿道の温かい応援はつらい時ほどパワーになります 【スポーツナビDo】

 キロ7分を切るペースで走りながら、無事に30キロ地点を通過。ここまで来ると、立ち止まってストレッチをしたり、歩き出すランナーも増えてきます。筆者も復調したとはいえ、さすがに身心ともにこたえてきました。

 しかし、逆に考えればあとたったの10キロちょっと。練習で10キロを走る人なら、「ゴールまで普段の練習感覚で走れる」と思えば、気持ちも多少楽になるものです。
 2年前にこのコースを走った時は、心の余裕がまったくなく、つらい、つらいとばかり考えていました。でも今は、つらい時こそ沿道に伸ばされた手にハイタッチしてみたり、向けられたカメラにピースをしてみたりして、気持ちを前向きに転換できるようになりました。これも、過去5回のフルマラソンの経験があってのことです。

あと1キロと分かれば、ヘトヘトな体でもラストスパートが掛けられるから不思議です 【スポーツナビDo】

走り終えてやっぱり思ってしまうこと

6回目のマラソンも無事に完走! 【スポーツナビDo】

 42.195キロの終着点、大磯ロングビーチに入る最後の坂を駆け抜けると、見えてきましたフィニッシュゲート。最後の力を振り絞り、両手を挙げてゴール! 手元の時計に目をやると4時間54分46秒(号砲からゴールまでのグロスタイムは5時間15分25秒)。後半の追い上げで5時間を切ることができました。
「マラソンは経験」と言いますが、何度走ってもつらいものはつらいしハプニングは付きもの。なかなか慣れるものでもありません。それでも、レースに出るたびに感じる成長や、フィニッシュラインを切った時の達成感と充実感は、何物にも変えられません。初マラソンの地を再び走り終えた今回も、やっぱり思ってしまいました、「もう一度、マラソン走りたい!」と。

(取材・文:小野寺彩乃/スポーツナビ)

スポーツナビDoでもおなじみ、タレントの高山都さん(中央)、フリージャーナリストの南井正弘さん(右)と格闘家の宇野薫選手(左)も完走メダルを手にそろって笑顔 【スポーツナビDo】

ニコ動の企画でフルマラソンの部に出走した堀江貴文さん(写真中央)も見事完走 【スポーツナビDo】

フルマラソン一般男子の部に出場したワイナイナさんは4位でフィニッシュ。ゴール後はイベントで会場を盛り上げた 【スポーツナビDo】

特別協賛のニューバランスブースでは、完走タイムを背景にした記念撮影、ブラックレインボーシリーズをはじめとしたシューズの展示、販売なども行われていた。 【スポーツナビDo】

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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