全サッカー指導者必見!? バイエルン公式でペップ式練習法を学ぶ

Sportie/スポーティ

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ペップ・グアルディオラの練習をYouTubeで見る

「明日の練習どうしよう?」。これはプロ・アマチュアを問わず、世界中のサッカー指導者共通の悩みではないだろうか。同じことの繰り返しでは選手を飽きさせてしまうが、自分の練習メニューの引き出しには限界がある。

 そんな悩める指導者たちのためにあのドイツの名門バイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)が立ち上がった…という訳ではないだろうが、同クラブが公式YouTubeチャンネルでトップチームの練習の模様を配信していることをご存知だろうか?

 これが全てのサッカー指導者たち必見の内容。何しろ同クラブを率いている世界屈指の名将ジョゼップ・グアルディオラの練習を無料で見ることができるのだ。グアルディオラといえば魅惑的なパスサッカーでFCバルセロナの黄金時代を築き上げた、日本でも信望者の多い指揮官だ。

 日々の練習の組み立てに悩む指導者の方々は、アップされている動画を参考にして、ペップ(グアルディオラの愛称)流トレーニングをチームに取り入れてみよう。

ウォーミングアップに…サッカーバスケット



Muller, Dante & Co. with 'special' training - YouTube


 5人組でリフティングをしてノーバウンドでボールをゴールに見立てたバケツが置いてあるシュートゾーンまで運び、ゾーンに付いたらライン上からバケツ目掛けてシュート。シュートゾーンではボールは何回バウンドしても良いようだ。

 動画では、3チームに分かれて、どのチームがより早くボール3つをバケツに入れるかを競っている。リラックスした動きと正確なボールタッチが必要なこの練習は、ウォーミングアップにぴったりのメニュー。また動画内のようにグループ対抗形式で行えば、チームの雰囲気を盛り上げることもできるだろう。

パスサッカーの基本を意識する…3チームで7対2のパス回し



FC Bayern Training 6 vs. 2 - YouTube


 動画タイトルは「6vs.2」となっているが、よく見てみると実際は7対2。7人のチームを3つ作り、2チームは左右のコートにそれぞれ入り、1チームはディフェンス。

 まずは片方のコート内で7対2のパス回しを行い、攻撃側はワンタッチで7本パスを繋いだら、逆サイドのグリッドへサイドチェンジを送れる。ディフェンス側のチームは、2人がグリット内でボールを奪いに行き、サイドチェンジを通されたら別の2人がプレッシャーをかける。

 速いテンポでショートパスを繋いでから大きく展開、というパスサッカーの基本を意識付けすることができるこのトレーニング。

 ポイントはサイドチェンジという目的をチーム全員で共有してリズムよくパスを回すこと。またボールを失ったチームごと攻守交代となるが、コーチが逆サイドのコートに素早くボールを入れてプレーを再開させることで、攻守の切り替えの速さも求めることができる。

広い視野を持つために…4対4+3フリーマンのパス回し



Training at Allianz Arena - YouTube


 4人2チームと3人のフリーマン(攻撃のみを行う役)で行うパス回しのトレーニング。フリーマンはコート中央の縦軸に入り、攻撃チームはサイドに2人ずつポジションを取る。

 攻撃側は2タッチ以内でパスを回すが、逆側のフリーマンへのパスを意識付けることでパス回しに方向を付ける。守備側はボールを奪ったら、素早く切り替えてサイドにひらく。逆にボールを失ったチームはすぐに奪い返しにいく。

 このメニューのポイントは素早くパスを回しながら守備チームを動かし、縦にボールを入れるスペースを生み出すこと。狭いスペースの中でこうしたトレーニング行うことで、試合中に縦を狙う際の身体の向きや視野の確保、ボールコントロールの精度の向上にも繋がっていくだろう。また11人で行うメニューなので、試合前のスタメン組のウォーミングアップとしても最適ではないだろうか。

ペップ流をヒントにして自分流の練習を

 こうして見てみると、さすがグアルディオラ。1つの練習の中にも複数の技術・戦術的な要素を持たせて、常に実戦的なトレーニングを行っていることがわかる。また、練習前にタブレットなどでこれらの動画を選手たち見えれば、「バイエルンと同じ練習をやるんだ」という実感を選手たちに持たせ、練習への強いモチベーションを抱かせることもできるだろう。

 ただ一つ、注意しなければならないのは、ここで紹介した動画の練習は全てバイエルンの選手、とどのつまり世界最高レベルの選手向けにオーガナイズされているということだ。コートの大きさを変える、人数を変える、ルールを変える…アレンジはいくらでも可能。ここで紹介した練習メニューをヒントにして、自分が受け持っている選手のレベルに合わせたトレーニングを考えてみると良いだろう。
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