ランニングを楽に続けて効果を出す方法 上達のコツ直伝!シリーズ 第7回

ACS編集部

POINT(1)歩くペースと同じ速さで走ってみよう!

走ると地面から両脚が離れることで筋力アップにつながる 【(C)Masashi Takahashi】

「走る」というと速いスピードでやらないと意味がないと思い込んでいませんか? 速く走ると“キツい”とか“苦しい”とかマイナスの気持ちが大きくなってしまい、続かない要因になってしまいます。歩くくらいのペースで走っても十分効果が出ますし、その方が楽に長く続けられるんです。
 歩いている場合は片脚が地面に接地していますが、走る場合は両脚が地面から離れることになります。それによって歩く時とは違ってお腹の大きな筋肉を使うことになり、筋力アップにつながりエネルギー代謝も上がってくるのです。

POINT(2)面倒なことはしない! 時間は無理して作らない

移動の時に私服のままで走ってみましょう!(ヒールなどは避けましょう) 【(C)Masashi Takahashi】

 早起きをして走る時間を作ろうと努力したけど、1週間くらいで面倒になったという人は多いのではないでしょうか? 少しでも寝ていたい朝に時間をつくるのは大変ですし、帰りに施設に寄って走ったりするのも面倒です。かなり意志が強くないとできません。ですから、毎日の生活の中で走る時間を取り込んでしまえば、新たにランニングの時間を作らなくていいのでオススメです。
 家から駅まで、駅から会社まで、ちょっとした移動や買い物に行くときなどに走ってしまえばいいんです。着替えるというのも面倒になる要因なので、私服のまま歩くくらいのペースで走ってしまえば毎日実行することも可能です。

POINT(3)目標は高く設定しない! 75%達成すれば十分

「目標よりも低くても大丈夫」と熱弁する西田さん 【(C)Masashi Takahashi】

 ランニングを始める時に、どうしても目標を高く設定してしまいがちです。ランニングに関するさまざまな情報があふれていますが、それに惑わされずに自分に合った目標を設定することが続ける上で大切です。

 その目標も、自分が設定した75%を達成できれば十分です。例えば1日1時間走ると決めた場合、45分できれば良しとしましょう。そのくらい気持ちに余裕をもって進められれば、続けることができますし、けがなどもしなくなります。
 目標を達成できなかったことを考えるのではなく、「今日は45分も走れた」「今月は15日もランニングできた」と前向きに考えるようにしましょう。それによって、毎日、毎週、毎月のランニングが一気に楽しくなります! 目標を達成するだけではなく、近づけることを意識して続けることがあとあと大きな力になるんです。

POINT(4)ランニングでこれだけできれば大丈夫!

【(C)Masashi Takahashi】

 ランニングフォームやトレーニング方法などは多くの種類があり、自分が何をやっていいのか分からないことがありますよね? あまり細かいことは気にせずに、以下のことだけを意識しながら走ってみましょう。

★腕振りはバランスをとるだけ、腰あたりでブラブラさせる

 短距離と違い、ゆっくり走るランニングでは腕を振る必要はなく、大きく振ることでかえって動きのバランスを崩すことがあります。腰の両脇に腕を置いてリズムよくブラブラさせ、体のバランスをとるだけという意識で十分です。

左:腕を上げてまっすぐな姿勢にする/中:まっすぐ立った姿勢/右:頭が前に出た猫背 【(C)Masashi Takahashi】

★猫背にならずに、まっすぐな姿勢を心掛ける

 簡単なようで、意外とできていないのがまっすぐ立った姿勢で走ること。腕を頭の上に組んで、それを外すとまっすぐな姿勢で立つことができます。これによって、呼吸もしやすくなり、故障予防にもつながります。猫背になると重い頭を首の筋肉だけで支えなければいけなくなり、長く走られない原因になります。

左:歩くくらいの歩幅で走った場合/右:スピードを上げて走った場合 【(C)Masashi Takahashi】

★歩幅は狭く、おしゃべりができる余裕をもって

 1人でなく、仲間と走ることも楽しく続けられるコツです。その時には、一緒に走る人とおしゃべりができるくらいのペースで走ることがオススメです。一緒に走るとついつい影響を受けてしまいがちですが、歩幅は小さめに保つとより余裕をもって走ることができます。
 西田さんは特別なことをやったのではなく、練習が目標の75%でもできれば良しと前向きに考えたことで、けがもなく、継続して練習ができたことを自身の成功の要因として挙げていました。

 最近、ランニングを始めた方に良く見られるのが、月間走行距離やタイムにこだわり過ぎてしまうことです。無理をせず、自分の体と向き合って練習することがランニングを続けることにも、効果を出すことにもつながります。

 とはいえ、ランニングはモチベーションを保つのが難しいシンプルなスポーツなので、仲間と一緒に走ったり、大会や目標を立てたりすることが、続ける上でさらに大事になってきます。西田さんが代表を務める“西田ランニングくらぶ”では、楽しく目標をもって練習することを実践しており、初めにカウンセリングをして自分の今の実力を知りながら、個人個人に合わせたメニューなどを実施されているとのことです。

 より楽しくランニングを続けてもらうために西田さんが始めたのが、ご本人が実行委員長を務める「日本一ゆる〜いランニングイベント“RUNフェス”」。第1回大会は子供から大人まで誰でもが楽しんで、笑顔が溢れる大会になりました。その第2回が2014年12月27日に夢の島陸上競技場で行われます。ぜひ皆さんも、気楽に参加してみてはかがでしょうか!?

 早速、歩くペースから走り出してみましょう!

西田隆維プロフィール

1977年生まれ。タレント、「西田ランニングくらぶ」代表/株式会社オーランド代表取締役社長。2001年エドモントン世界陸上選手権に日本代表として出場。マラソン9位。駒澤大学時代は4年間連続で箱根駅伝に出場。4年時の第76回は復路のエース区間9区にて当時の区間新記録を樹立した。その後、ヱスビー食品、JALグランドサービスで選手を続け、現在はタレント業もこなしながら、スポーツの発展と社会貢献を目的とした会社を設立し活躍。イベント主催など活動の場を広げている。

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著者プロフィール

元十種競技選手の奥山剛史が代表を務める、株式会社アスリート・キャリア・サポート。「スポーツはみんなを元気にする。」をコンセプトに、人とスポーツとの関わりをデザインし、躍動感あふれる社会をつくるためにさまざまなアイディアでスポーツを楽しみ愛する人を応援していきます

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