「空中の格闘技」セパタクローに挑戦 アジア大会オススメ競技をDoしてみた(1)

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果敢にオーバーヘッドにチャレンジも得点奪えず……

寺本選手のアタック。実際の試合では、時速100キロを超えてくる鋭いボールが飛び交う 【スポーツナビDo】





 本当はここで試合形式の練習に入るところだったが、今回は試しに日本代表選手のアタックを受けることに挑戦してみた。アタックは、サッカーで言う「オーバーヘッドキック」。155センチのネットよりも高い打点でボールを蹴って相手コートに蹴り入れる。ここのダイナミックさこそ「空中の格闘技」と呼ばれるゆえんだ。

 実際に寺本選手にアタックを打ってもらうと、ひざを曲げずにネットの上まで蹴り上げ、着地の際も倒れずにバランスを取り、すぐに次のプレーに移ることができる状態。やはり日本代表選手はすごい。

「アタックは大体時速100キロを超えますね」と寺本選手。海外のトップ選手になると、140キロ近いという。そのアタックを実際に受けてみると、やはり向かってくるボールは速くて重く、体に当てるのが精いっぱい。うまくレシーブできることはなく、それでも体にはなんとか当てることができた。そのおかげで、太ももにはきれいなボールの跡が残った……。



 いよいよ最後に試合形式の練習。セパタクローは3対3(2対2で行うダブルもある)で行い、1セット15点先取の3セットマッチが基本となる。今回は僕とワタナベ君、そして寺本選手がレグ(チーム)となり、対戦相手はこの日、同じく自主練をしていた日本代表の坂本竜太郎選手を含む亜細亜大の学生&OBチーム。もちろん、勝てる要素はひとつもないが、「まずは1点!」という気持ちで、試合に臨んだ。

 セパタクローのポジションは、アタッカー(アタックを打つ選手)、サーバー(サーブを打つ選手)、トサー(トスを上げる選手)に分かれるが、今回は特にポジションを決めず、全員攻撃、全員守備! しかし、なかなかうまく相手コートに返すことができず、あれよあれよと点を奪われてしまう。サーブは3本ずつで交代となるが、もちろんサーブで崩すこともできず、逆にサーブを受けられず簡単に失点となってしまうことも。

 結局、僕らのチームは相手のミスから奪った1点しか挙げることができずに試合終了。それでも初心者なだけに、ボールが相手コートに返っただけで満足できたし、ワタナベ君は果敢にオーバーヘッドを狙っていき(!?)、プレーを楽しんでいた。

日本代表の目標はアジア大会でのメダル獲得!

隣のコートでは大学生たちが練習。華麗な空中技が飛び交っていた 【スポーツナビDo】

 練習後、セパタクロー日本代表の活動に関して話を聞いた。前回のアジア大会では男女ともに銅メダルを獲得した日本代表だが、今大会ももちろん目標はメダルの獲得となる。

「ほかの国に比べたら競技環境が整っているとは言えない中で、各国はどんどん力をつけていると思います。それは分かっていながらも、言い訳にできないので、選手、協会みんな一丸となってこの4年間をやってきました。サッカーのW杯でも、前回より上に行くというのが最低条件と言いつつも、それが簡単なことではないというのが分かると思うのですが、それでも今回はメダルを必ず獲得するということを合言葉にやってきました。

 日本人に足りていないものは何か、日本人にしかないものは何かと試行錯誤しながら練習してきました。大会までそれほど時間がないのですが、そこをもっと詰めて挑戦すれば届かないところではないと思います」と意気込みを語ってくれた。

 現在の競技人口は2000人前後というセパタクロー。まだまだ世間一般に知られている競技とは言い難いが、アジア大会のような国際大会は競技普及のチャンスでもある。

「今回もメダルを取ることで、日本にセパタクローという競技を普及させるきっかけにし、説得力にしたいと思っています。アジア大会では、是非、結果を持って返ってきたいです」と世間からの注目を集めるためにも、メダルを取りたいと話す寺本選手。韓国・仁川での日本代表の活躍に注目し、その華麗なプレーの数々も楽しみたいところだ。

 そして大会後には、もう一度、リベンジしに行きたい。そう心に誓う体験取材だった。

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)

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