際立つアメリカ大陸の優位とカウンター 変化を感じさせたグループリーグを総括
3バックの復活と4CBの活用
ウルグアイ勝ち抜けの原動力となったスアレス。大会のスター候補は、グループリーグで去ることになってしまった 【写真:ロイター/アフロ】
バイエルン風なのは中盤から前だけで、前後に役割分担が明確な構成になった。ただ、カウンターアタックへの対策として、4CBは有効だったといえるかもしれない。ベルギーの4バックも全員CBだった。単にサイドバック(SB)の人材不足のせいかもしれないが。
一時は廃れた感のあった3バック復活も変化の1つだ。守備時には5バックにして分厚く守る。オランダ、メキシコ、チリ、コスタリカが3バックでベスト16進出を果たした。
スーパースターとニュースター
アルゼンチンはディエゴ・マラドーナやファン・ロマン・リケルメといったエンガチェ(10番の選手)を中心にしてきた伝統があるが、今回はとくにメッシありきのチームだ。たとえGKと変わらない運動量であっても、ここという場面では決定的な仕事をする。守備やハードワークはチームメートが負担し、メッシには得点とチャンスメークで力を使ってもらおうという共通理解ができている。
コロンビアのハメス・ロドリゲスの役割はメッシに似ていて、カウンターアタックの起点として技巧とセンスを発揮する。ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドは負傷の影響でベストコンディションではないうえ、初戦のドイツ戦でペペ退場の影響でチームは惨敗。左SBと1トップが2人ずつ負傷欠場する不運も重なってチームが波に乗れず。ロナウドは得点、アシストと気を吐いたが限界だった。
負傷から回復して大活躍したルイス・スアレスは、ウルグアイ勝ち抜けの原動力となった。しかし、イタリア戦でジョルジョ・キエッリーニに噛みついたことで試合後に9試合出場停止の処分が決定。大会のスター候補だったが、グループリーグで去ることになった。