遠藤保仁、ブレない男のメンタリティー 代表最多出場記録保持者が抱く後悔

デサント

「もっと努力すれば良かった」

代表最多出場記録を持ちながら、遠藤は「もっと努力すれば良かった」と後悔をしている 【写真提供:デサント】

 難しいのは、監督が求めるプレーと自分の特徴をすり合わせることだ。試合に出たいからといって自分を抑えて言われた通りにプレーするのは違う。遠藤は監督の意思を尊重しつつも「自分のプレー」にこだわってきた。

「監督はみな考え方も、生きてきた文化も違うので、毎回それぞれの色が出ているなとは感じますが、普段のプレーを評価されて代表に選んでもらっているので、クラブでやっていることをそのまま代表で出せばいいと思っています。自分の力が50パーセント、70パーセントしか出せなくて、それで評価されないという状態にはしたくないので、まずは自分が持っている力を出しきる。自分が100パーセントの力を出すためにしっかり努力して、それでも評価されないのであれば仕方ないと思っています。基本的に、すぐ逃げたりはしません。やるべきことをやってから、それでもだめなら別な道を探したいと思っています」

「やるだけやってダメなら仕方ない」という遠藤だが、おそらくこの「仕方ない」は諦めるという意味とは違う。「今の自分では試合に出られない」という認識であり、「別の道を探す」とは自分をさらに高めるためにどうしたらいいのか、という問いではないだろうか。

 そう感じたのは、遠藤に「若い頃の自分にアドバイスするとしたら?」と尋ねたら、「もっと努力すれば良かった」という答えが返ってきたからだ。

「努力すれば試合に出られるということではないし、いろいろなタイミングもあると思いますけど、若いうちにもっとやるべきことをやっておけば良かったと思うので、そのことにもっと早く気付きたかったですね」

 日本代表最多出場記録を持つ男の、若い頃にもっと努力すべきだったという後悔。それは試合に出られなかった時期の悔しさと、飽くなき探求心を表している。

<後篇(6月18日掲載予定)に続く>

(ライター:川内イオ)

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