家族で参加!? 釣りもする!? アドベンチャーレースの世界

Sportie/スポーティ

旅の要素も魅力。お茶のクイズに答えたり、歌舞伎の演技をするチャレンジも

釣り堀で釣りをするアスリート。これもアドベンチャーレース。「エクストリームシリーズ2013尾瀬檜枝岐大会」での風景。 【photo by Aya Kubota】

 レースを行う地域のことを知ってもらう「旅」の要素も大切。オーガナイザーはそのために工夫を凝らしているのだそうです。たとえば静岡のレースではお茶を用意して、お茶にまつわるクイズをしたりするというから驚きです。

「他にも、地元の方が作られたお蕎麦を必ず食べていくとか、紙すきをするというのもあります。「エクストリームシリーズの尾瀬檜枝岐(おぜひのえまた)大会」なんて、歌舞伎の舞台があるんですけど、そこで歌舞伎の一節を覚えて、演技してOKをもらえたら移動するっていう(笑)」
 もちろん、一方では海外に出ていくトップアスリートを育てるようなハードなレースもあって、幅の広い競技になってきているようです。だんだんアドベンチャーレースのイメージが変わってきましたが、次のお話も素敵です。

全員オリンピック選手のチームでも勝てるとは限らない。助け合いが大事

 アドベンチャーレースでは、チームに女性を入れる決まり(近年は男女別の種目もあるとのこと)になっていることが多いそう。高齢者の男性を入れるなら、男性だけでもOKというレースも海外にはあるのだとか。

「弱い人をいかにサポートしながらゴールできるか?っていうのがすごく大事な要素になってるんです。牽引って言って、体力のある男子がロープで女子を引っ張って走ったりもします。そういう助け合ってる雰囲気も、すごく私の中で新鮮でした。絶対に仲間を見捨てずに、全員でゴールしないといけない。国内外に関わらずそういうルールです」

 オリンピック選手を集めてチームを作ったとしても、必ず勝てるとは限らないのがアドベンチャーレースなのだとも。

「逆に、みんなの能力を引き出せるような人が中にいるだけで勝てる可能性もあるんです。スポーツ経験がほとんどないのに、彼女が入ることでチームが速くなっていく、っていう不思議な能力を持った女性も知ってます。若いからといって勝てるとも限らない。どちらかというと年齢が上の人のほうが、仲間をどういうふうに持ち上げていったらいいのかをよく理解している。体力勝負だけじゃないんです」

始めるなら「地図読み」がマスト。あとは歩ければいい!?

マウンテンバイクを担いで美しい渓流を渡る。少々きつくても気持ちよさそう。「エクストリームシリーズ2013尾瀬檜枝岐大会」で。 【photo by Aya Kubota】

 ここまで読んできて、私には無理!から、私もやってみたい!に変わった人も少なくないのでは? 初めてのレース参加に向けて準備するなら、マストは地図読み、と亜矢さん。チームの中に地図読みができる人がいないと道に迷ってしまうので、地図読みの講習会を受けておくといいそうです。

「あとは、走れれば、いや、歩ければいい(笑)。自転車にも乗れるともっといいかな。で、チームにひとりでもいいので、ファーストエイドを覚えておきたいですね。例えば熱中症になっちゃったり、蜂に刺されちゃったりとか、どのスポーツでも絶対あると思うので」

 歩ければいい、と聞くと急にハードルが下がった気がします。でも、考えてみれば、地図を読んだり、歩いたり、自分たちの身体の安全を守ったりというのは、ひとが生き残る上で欠かせない能力とも言えそうです。

「災害に遭ったときにも全然違うし、アドベンチャーレースをやっている人たちって、そういう部分では強いだろうなあって思います」
 自然や地域の文化と触れ合いながら、総合的な人間力を競い合うこのレース。いまはまだ知る人ぞ知るスポーツですが、これからもっともっと人気が出る予感がします。

参加してみたくなった人は

 詳細や申し込みはエクストレモWebサイト(http://www.a-extremo.com/)で。1人でも参加できるそうですよ(1人だけど参加したいという人たちを集めて、主催者側で混成チームを作ってくれるのだそうです)。

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