女子ウケ抜群!優弥先生のキック塾 “今さら”を“今から”に変えよう

長谷川亮

【長谷川亮】

週に3回のレディースクラス

K−1ファン、キックファンにはおなじみ山本優弥先生 【長谷川亮】

 サンシャイン60からほど近い南池袋4丁目に「尾下塾」は位置している。ここはボクシングトレーナーの尾下正伸が代表を務め、多くの選手をチャンピオンへと導いている格闘&トータルフィットネスジム。というと、“プロ格闘家虎の穴”のように響くが、さにあらず。週に3回、山本優弥が指導するレディースクラスが好評を博している。このクラスを取材し、日常生活に運動を組み入れる効用を“ゆーや先生”に尋ねた。

ちょっと変わったテニスボールを使っての体の調整、これが効くんです 【長谷川亮】

「女性のクラスはもう3年目になります。僕が男性、男なので強くなりたい、シンドい、痛いとかっていう男の気持ちは分かるんですけど、女性は全然目的が違うじゃないですか。だからそういう真逆のことに気を遣ってできたら選手としても幅が広がるし、指導者としてもいろんな気持ちになれるんじゃないか、一歩大きなものになるかなと思ったのが取っ掛かりです」

 そう語る優弥先生のクラスは、まずテニスボールを使った体の調整からスタート。体の上を転がしたり、お尻や足の下に敷いて遊ぶようにボールと戯れると、体が柔らかくほぐれるのだという。「試してみてくださいよ」、そう言われて自分もやってみると、調整前と調整後では体を前に倒す前屈の曲がり具合が実感できるほど違うから、あら不思議。
 その後はバランスボールに乗ってのストレッチを全身くまなく行い、ストレッチポール、ウェーブストレッチリングといった器具も使い、さまざまな運動を行っていく。

普段使わない箇所を刺激、体が目覚めていく

バランスボールなどさまざまな器具を使って普段使わない箇所を刺激、それによって体が目覚めていく 【長谷川亮】

 K−1時代は“叫ぶ大和魂”と呼ばれ、とかく気迫や根性を売りにした選手のように思われがちだった優弥だが、体とトレーニングに対する知識が豊富なことに驚かされる。クラスには優弥が実際に学び、「その中でいいと思ったもの」を取り入れているのだという。

 ストレッチポールの上に寝て足をワイパーのように動かしたり、ウェーブストレッチリングを足先に引っ掛けてストレッチを行ったり、日常生活ではあまり使わない箇所に刺激を与え、体を目覚めさせていく。普段慣れない運動でも「リスクのないよう、けがのないよう」注意して行われているので安心だ。けがに見舞われることが少なくなく、苦難の選手生活を送ってきた優弥だが、逆に指導する立場に立てばそれも有用な経験となっているのかもしれない。
「運動するのがいいことだって分かっていても、みんなその運動を始めるまでがダルいんですよね(苦笑)。だからその一歩のために、まずは運動する環境を持つ、その場所へ行くっていうことが大事だと思います。その場所へ向かう間に、自分の気持ちや神経を入れ替えるっていうのを自然にしていきますから、場所を変えることが一番だと思います。運動する機会を持てば自分の体に目を向けることにもなるし、週1回でもこういうことをやっていけば、1週間の質が全然違うと思います」

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著者プロフィール

病弱だった幼少期にプロレスファンとなり、格闘技ファンを経て2002年に格闘技雑誌編集部入りし、05年からフリーライターに。『スポーツナビ』にはそのころから執筆。病床で何度も読み返したため、『プロレススーパースター列伝』は大体暗記。趣味は下手の横好きでキックボクシングとブラジリアン柔術

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