猫背解消のためのエクササイズ 伊藤華英のピラティスレッスン(3)

伊藤華英

セッション1:スワン

【坂本清】

(1)うつ伏せの姿勢になり、スタートポジションを作ります。骨盤は後傾しないように、保っておきます。両足を骨盤幅に開き、両手はマットにつけて、肘を軽く曲げます。

【坂本清】

(2)鼻から息を吸いながら、肩甲骨を下げることを意識し安定させます。お腹を凹ませるように軽く力を入れます。恥骨をマットに押し付け、その恥骨を中心として、背中を反らせていきます。

 注意することは、恥骨は必ずマットへ押し付けていることです。腰から反るのではなく、恥骨から背骨を1つ1つ上へ積み上げるイメージで行ってください。

【坂本清】

(3)吐きながら、スタートポジションへゆっくり戻っていきます。
(1)から(3)の動きを5回ほど行ってください。セッションが終わるまで集中し、自分のどこの筋肉が動いているか感じながら動きを行うと、よりピラティスのエクササイズに近づくと思います。

セッション2:スタンディング・ロール・ダウン

【坂本清】

 次に紹介するのは、「スタンディング・ロール・ダウン」です。目的は、背骨を1つひとつ動かす能力の向上と、裏太もも、おしり、背筋の柔軟性の向上です。立って行う動作になりますので、バランスを保つ練習にもなります。繊細な動きになりますので、邪念を捨て、より気持ちをフラットな状態にしましょう。

(1)まずマットの上に立ちます。足幅は骨盤幅にし、足の裏も意識しながら、重心は中央に持っていきます。両手は体側に添え、肩の力を抜きましょう。座骨は床に引っ張られるように、また、頭頂は1本の糸で天井から引っ張られるように、引き合いの動作(レジスタンス)を意識して立ちます。

【坂本清】

(2)鼻から吸って、吐きながらロールダウンしていきます。首から、骨を1つ1つ曲げていきます。すべて同じ速度で行ってください。イメージは、背骨1つ1つの間のスペースを広げるイメージです。

【坂本清】

(3)エンドポジションです。呼吸は楽にしておきましょう。前屈をした状態でリラックスし、身体の背面(ふくらはぎ、太もも裏、おしり、背筋)の伸びを感じます。この際、重心はかかとにあります。

【坂本清】

(4)鼻から吸って吐きながら、ロールアップしていきます。重心を前方へ移しながら、尾骨から背骨を1つ1つ積み上げ、スタートポジションへ戻ります。注意点は、背骨が塊で動かないように、ゆっくりじっくり、背骨を動かしていくことです。常にお腹を凹ましながら、動作を行ってください。
 太もも裏が硬い場合は、膝を曲げて行ってください。1つひとつの動作がとても濃い内容となっていますので、(1)から(4)の動作を2回ほど行えば充分です。無理をせずに、マイペースで気持ちよくエクササイズを行ってください。

 継続して、自分の最高の状態を手にいれましょう! エクササイズを重ねていくことによって、さらに効果を実感できると思います。次回は、腰痛解消のエクササイズをご紹介します。

(衣装協力:「GreenHeart」)

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著者プロフィール

1985年埼玉県さいたま市生まれ。幼いころからスイミングスクールに通い、10代から頭角を現した才色兼備のスイマー。2008年日本選手権で背泳ぎの日本新記録を出し、北京五輪に出場。その後、けがのため自由形に転向し、12年ロンドン五輪に出場した。12年9月に現役を引退。現在は水泳を中心に、スポーツ全般の普及に尽力する。また、日本ピラティス指導者協会公認マットピラティスコーチの資格を取得し、指導を行っている

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