個人トレーナーとの強力タッグ サッカーライターの肉体改造計画(2)

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過酷なトレーニングも貪欲に

(左)ももを高く上げて「1、2、1、2……」。シンプルだが、実は結構しんどい/(右)バランスボールに乗りながらのスクワット。足をプルプルさせながら10回×3セット 【スポーツナビ】

 最後に、安藤さんのトレーニングシーンを簡単に紹介しよう。この日はスタートが22時すぎということもあって、1時間のコンパクトコース。それでも短いインターバルを挟んだだけで、みっちり体を動かした。まずは体慣らしのため、もも上げから。「1、2、1、2」という清水さんの掛け声のもと、安藤さんがゆっさゆっさと動き出す。

体幹トレーニングといえば定番のコレ。長友佑都がよくやっているアレだ 【スポーツナビ】

 ここから先は、完全に2人だけの世界だ。もも上げの次は、ストレッチで体をいたわり、体幹を鍛えるための反復運動、バランスボールやダンベルを使った筋トレと続く。安藤さんの表情は真剣そのもの。さっきまで事前の撮影でおちゃらけていたのが、ウソのよう。貸切のジムで聞こえてくるのは、清水さんの厳しい指示と安藤さんの荒い息遣い。額は大粒の汗で覆われ、気がつけばマットにもポタポタとしたたり落ちる……。

超ハードなトレーニングにぐったり。そりゃあ、大の字になるよね 【スポーツナビ】

 正直に告白すると、安藤さんならキャラが際立つし、絵的にも面白いかも、という遊び心満載の理由から、連載のオファーを出したことは事実だ。が、目の前で繰り広げられている光景を見ると、なんて失礼なことを考えていたんだと、少しばかり自分を恥じた。と同時に、企画に最適な人選であったことも再確認できた。表情をゆがめ、歯を食いしばりながら、1つ1つこなしていく姿は、決して美しいわけではないが、応援せずにはいられなくなる。こんな安藤さんは見たことがない。気がつけば、心の中で「教授すごいよ! 頑張れ」とつぶやいていた。いや、ホントに。

苦しいトレーニングを終えた後は、ご覧の通り爽やかな笑顔。やりきった男の顔だ 【スポーツナビ】

 清水さんも安藤さんの真摯な姿勢に太鼓判を押す。
「目的がはっきりしているので、今度は大丈夫だと思います。どんどん追い込んでいきますよ。やりがいがありますね。徐々にトレーニングのハードルも上げていきます」

 この言葉を受けて確信した。「教授ならやれる。スーツもカッコよく着れるはずだ」と。どんなボディーに変身するのか、今から楽しみで仕方ない。失敗したらどうするかって? 安藤さんに限ってそんなことはないだろう。あれだけ頑張っているのだから(とプレッシャーをかけてみる)。
 というわけで、長々と書いてきたが、当連載のイントロはここで終わりにしたい。次回からは主役の安藤さんに筆を譲り、トレーニングの詳細や体の変化など、あるがままにつづってもらおう。お楽しみに!

(取材・文:今成裕/スポーツナビ)

安藤隆人
大学卒業後、5年半勤めた銀行を退職して単身上京し、フリーサッカージャーナリストに転身した異色の経歴を持つ。15年以上の取材実績を誇り、日本全国、世界各国を旅しながら、情熱を注ぐユース年代の発展に注力する。著書に『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、『高校サッカー 心揺さぶる11の物語』(カンゼン)、『高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所』(講談社)。『Number』(文藝春秋)、サッカー専門誌などにも寄稿。現在、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて『蹴ジャン!SHOOT JUMP!』を連載中

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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