スポーツバイク 初めての購入 ポイント&おすすめ5台を紹介!
【t.SAKUMA】
昭和8年創業「フレンド商会」店長に聞く
そこで、スポーツバイク初心者に役に立つ購入時のポイントを、昭和8年創業の老舗専門店「フレンド商会」店長(アサガヤ総本店)の内田和代さんに聞いてきました。
スポーツバイクの種類について教えてください
内田 まず、ロードバイクはオンロードを走るためのレース用の車種で、スピードの出しやすい作りになっています。最近人気のあるシクロクロスは、元々はロードバイクをベースに荒れ地などを走れるようにしたオフロード用の競技用車種で、ロードバイクに比べて少しタイヤが太くなっています。クロスバイクは舗装路を走るには少し重たかったマウンテンバイクを軽くしてオンロード向けにアレンジしたものです。それぞれバイクの種類によって乗る目的が違ってきます。
――スポーツバイクを購入するときによく耳にするのがバイクの重量に関してです。やはり、スポーツバイクにとって車体重量は重要なポイントになるのでしょうか?
内田 やはり重いより、軽いにこしたことはないです。ただ、走るフィールドによっては強度も大切になりますので、一概に軽ければ良いというわけではありません。また、カタログで表示されている重量はどこまで付属品を自転車につけて量るかなど、メーカーによって量り方が違ってきます。ですから、重量をカタログだけで判断することはできないですね。カタログには重量を載せていないメーカーも多いです。
ドロップハンドルは初心者でも簡単
こちらのモデルにはドロップハンドルにシルバーの補助ブレーキがついてる 【t.SAKUMA】
シクロクロスのタイヤはロードバイクに比べて太くなっている 【t.SAKUMA】
内田 ハンドルはすぐに慣れますので問題はないと思います。ドロップハンドルはスピードの出しやすいフォームに合わせて作られていますが、レースで長距離を走る際などにハンドルの握るポジションを変えられるというメリットがあります。1カ所を長時間にわたって握り続けるというのはやはり疲れてしまいますので。これは一般の人が長距離を走るときにも当てはまります。
――やはりロードバイクとクロスバイクなどでは出るスピードも違ってくるのでしょうか?
内田 変わってきますね。自転車のフレームはパッと見では同じように見えるかもしれませんが、それぞれ違ってくるんです。ロードバイクの場合はホイールベースは短めに作ってありますが、クロスバイクなどではホイールベースは少し長めになってきます。
やはり、短い方がスピードを出すのに向いていますし、チェーンにしても短めの方がパワーロスが少ないんですね。ただ一方で、短めのホイールベースでは低速時などの安定感は落ちてきますので、そのあたりではクロスバイクの方が安定感はあると思います。
内田 ロードバイクは速く走ることを前提にしているので、デリケートな部分が多いんですね。さらにタイヤは細く高圧になってきますので、車道を走っている場合などは、段差などで気を遣って乗らないと、パンクや転倒の危険性が高くなります。なので、空気がしっかり入ってるかなどの細かなメンテナンスは日常的に行う必要があります。
――ところでバイクのサイズは、48、51、53のように数字で表示されていますが、初心者はどのような基準で自分に合ったサイズを選べば良いのでしょうか?
内田 バイクのサイズは、メーカーによってもサイズの測り方が多少違ってくるので難しいんですね。たとえ同じメーカーでも車種によっては、乗車姿勢も変わってきます。従って、結局はお店で実際に乗って選んでもらうのが一番です。特に最初の一台を選ぶ時は必ず専門店でサイズの合ったものを選んでほしいですね。
コンポーネントの違いって?
バイク購入時に必ず一緒に買っておきたいヘルメット。フレンド商会アサガヤ総本店B1フロア 【t.SAKUMA】
内田 まず、デュラエースはプロ選手の高い要求に応えるためにコストを度外視してシマノの持つ最高技術が注ぎ込まれています。もちろん、価格も高くなりますが、使い心地や耐久性も最上級です。それに対して、アルテグラは一般的なユーザーに満足できる性能を実現して、仕上げや素材面などのグレードをやや落としています。
さらに下の105になってくると、重量や耐久性でも少し劣ってきます。もちろん、最高級のデュラエースが買えるならそれにこしたことはないでしょうが、だからと言って下のクラスの性能が悪いというわけではありません。シマノの製品は本当に良くできているので、入門用の下位クラスのコンポーネントでも問題はありませんし、初めてスポーツバイクに乗る人にはアルテグラと105の違いなどは分かりにくいと思いますね。つまり、それぐらい良くできていると言うことです。
内田 そうですね。初心者ならば105で十分だと思いますね。あと、付け加えると105より下のクラスになると、ワイヤーがドロップハンドルの外に飛び出してしまうんですね。なのでデザイン的な面から言っても105より上のコンポーネントがおすすめですが、その下のクラスでも初めてスポーツバイクを買われる人には問題はないと思いますよ。