カバディ? カバディ! カバディ!?
知っているけど、知らない…そんなカバディの謎を解き明かす。
そんな、摩訶不思議なワードを連呼しながら、相手に迫るスポーツ…皆さんの中でも、カバディにはそれぐらいの認識しかないでしょう。30代以上の方であれば、昔、白夜書房が展開していたCMで、はじめてカバディの存在を知った方も多いかもしれません。
マイナースポーツと呼ばれるものが数百とある中でも、そのインパクトの強さから記憶から離れない、認知度がずば抜けて高いカバディ。今回はカバディの謎を解き明かしていきます。
話を伺ったのは、カバディの元日本代表で、2010年アジア大会を機に引退。現在は日本カバディ協会で事務局長を務める、河合陽児さん。「そもそもカバディとは何なのか?」、「どういうスポーツなのか」を中心に質問をぶつけました。
「カバディ」という言葉に、意味はない! 何語かも不明!!
河合 カバディは、インドの国技と言われています。日本でいう、相撲みたいなモノですね。バングラディシュふくめ、南アジアでは人気のあるスポーツの一つなんですよ。そして、カバディのルーツですが、諸説あるのですが一番有力なのは、「人が獣を、武器を持たずに直接つかまえる狩りの手法」から派生してできたスポーツと言われています。
河合 まぁ、紀元前の狩りがルーツになってますからね(笑)。その頃の人たちは、武器を持たずに獣と戦い、かつ捕らえることで食料を得ていたワケですから。この方法がスポーツとして成熟して、カバディが生まれたんですよ。ですから、道具も使わずに、カラダひとつでプレイできるわけです。
ちなみに余談ですが、カバディはアジア大会やワールドカップも開催されていて、母国であるインドが圧倒的な強さを誇っています。日本も結構強くて、先日のアジア大会とワールドカップでは3位に入りました。国際連盟も最近できたので、オリンピック競技を目指しています。でも、競技人口はまだ少ないんですよ。
――ずっと、「カバディ、カバディ…」と言っているじゃないですか? あの、「カバディ」って言葉の意味って何なんですか?
河合 実は、あの「カバディ」って言葉に意味は全くないと言われています(笑)。何語かも不明なんですよ。
――え? カバディって言葉には意味がないんですか!?
河合 はい(笑)。かけ声みたいなモノです。日本語でいう、「わっしょい」とか「ヨイショ」みたいな。なぜこの言葉を言い続けなければいけないかというと、「制限時間」のようなモノなんです。「カバディ、カバディ」と言っている間だけ、プレイできるんですよ。息が上がったら、アウトになるので。
まぁ、言葉に意味がないのでは、“無心”になってプレイするためだと思います。かけ声そのものに意味があると、人間って自然と考えちゃうじゃないですか?ヨガもそうですけど、無心になることが大切という、インド的な発想からこの「カバディ」という掛け声になったのだと思います。
鬼ごっこでもあり、ドッヂボール、そして格闘技の要素も!
河合 はい。まずコートを用いる競技で、小学生の時にやったドッヂボールのように自陣と敵陣がわかれています。そしてチームはそれぞれ7名ずつです。それぞれ交互に攻撃と守備をするような感じです。
攻撃の際は、チームの一人が攻撃者(レイダー)として相手コートに入り、そこで守備側(アンティ)にタッチして、自分のコートまで戻ることができたら点が入るという仕組みです。一人にタッチすれば1点、二人にタッチして戻ることができたら、2点という感じですね。
河合 そうですね、ドッヂボールのボールが人になったようなスポーツかもしれません。かつ、捕まえる時は結構激しい攻防になるので格闘技的な要素も含んでいます。ですから、国際大会では80kgという体重制限があるんですよ(女性は70kg)。あまり大きい人がいると、怪我とかのおそれが出てきますからね。
河合 あと、チームワークがすごく大事な競技なんで、わざと誰かがオトリになったり、色々な作戦があって結構、アタマ使うんですよね。それに手をつないでディフェンスするので、チームの仲も自然と深まります。
大きなイベントに呼んでもらってカバディを教えたりすると、その知名度から200人以上の参加者が集まることもあるんです! プレイしてみると、皆さん、「面白い!」と言っていただけます。それに、日本の競技人口は、まだ数百人と少ないので、日本代表にもなりやすいんです(笑)。「やってみたい!」という方がいれば、ぜひご連絡ください! 土日でも、出張講座、ひらきますので!
――新卒社員の入社研修合宿とかにも良さそうですね、チームワークも深まりそうですし。本日は貴重なお話、ありがとうございました!
日本カバディ協会事務局長 河合陽児
マイナースポーツの中でも知名度が極めて高いカバディの、指導および普及を目的として設立されました。講習会の開催や全国的な競技会の開催、 国際競技会に対する代表選手団の派遣などを行い、競技人口の増加、将来的にはオリンピック競技への採用を目指し、活動しています。 http://www.jaka.jp/
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