清宮監督、五郎丸が見た「今のワセダ」 ラグビー日本選手権
ヤマハが早大を36対16で破る
早大・藤田(左)をかわすヤマハ・五郎丸。後輩のプレーに何を感じたのか? 【写真は共同】
東京は秩父宮ラグビー場で、早大がトヨタ自動車を28対24で撃破。当時の清宮克幸監督は、学生ラグビーが好きなオールドファンのみならず、全国の判官びいきな市民から大いに注目された。
冬季オリンピックでいう2大会分の時を経て、その人は社会人の側にいた。トップリーグのヤマハを率いて、母校であり、かつて指揮を執った早大を36対16で制した。06年度から5季務めたサントリー監督を経て、現職につき3季目。「ワセダ、ナイスゲーム」と言い残した。
布巻を中心に食らいついた早大
「ワセダとしてはロータックル、ダブルタックルを心がけていた。1人目が低く入って相手の突進を止めて、2人目、と。ただ、突破されたシーンは1人目が高く入って弾かれていた。田中渉太に抜かれたところは、2枚、3枚で分厚く(守備網を敷いて)止めたかった」
それでも、試合の質は保たれた。早大はフランカー金正奎副将、センター坪郷勇輝ら4年生が、しぶとく食らいついた。プロップ垣永真之介主将を軸に、スクラムはどうにか安定させた。3年生のフランカー布巻峻介は直線的なヒット、パス、キックと八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍を示した。
早大・後藤監督「後半はよく戦えた」
「自分たちよりでかく、強い相手にどう勝ちにいくか。そのためにはセットプレーをどうにか安定させる。相手の強みのラインアウトモールをどうにか止める。ディフェンスでは『ストップ・ザ・マレ・サウ』。あとはミスボールへの反応で、ミスをミスにしない……この4つをテーマに掲げました」
モールでの失点や、マレ・サウ以外のキーマンであるフルバック五郎丸らに突破を許すなど思うようにいかない点はあった。それでも指揮官は「おおむね、うまくいった。特に後半はよく戦えた」と振り返っていた。